神童*



こんにちはー、俺はどこにでも居るごく普通のサラリーマン。
大学出て、厳しい就職難の時代になんとか正社員で就職して、んで今は仕事は覚えたもののまだまだヒラのまま主任になるにも程遠いっていうところ。

え?そんな説明はもうイイって?
俺の事はいいからあれからクラマ君とはどうなったのかが知りたいって!?
酷ッ!そこは敢えてスルーしてくれるのが大人の優しさってもんじゃないの!?
あの一回っきりであれ以来何の音沙汰も無し。
はい、以上です。終了〜!
ハァ?もっと詳しく説明しろ!?
抉るね〜。俺の出来立てホヤホヤの傷をグリグリと遠慮なく抉ってくるね〜。
んじゃ言うけど何も面白い要素ないからね?
そこは期待しないでね?


あの後、吹っ切ったつもりで楽しもうと思った俺はクラマ君の事をデロデロに甘やかした。
「さっきまでコレが入ってたんだよ」って言いながらクラマ君に俺のチンポ舐めさせたのはめっちゃ楽しかった。
クラマ君もさー、ツン要素高いけど結局はM気質な甘えたがりだから、俺が拙いながらも一生懸命舐めてくれるクラマ君の事を頭を撫でて褒めると嬉しそうにしてくれるしさ。
それから一緒にお風呂に行って、「舐めてくれたお礼に今度は俺が綺麗にしてあげる」って今度は俺がクラマ君のお尻ん中を舐めたりして。
クラマ君も最初は恥ずかしがるんだけど、すぐにあんあん可愛い声出すんだコレが。
そこから自然にお互いの洗い合いになって。
そしたらどうしてもシたくなっちゃって、洗い合いしながらの
「ね、もう一回シよ?」「え…」「クラマ君だって勃ってるじゃん。ね、イイデショ?」「バカ、折角綺麗にしたのに…」「また洗えばいいじゃん」「そういう問題じゃねぇだろ…!」「だーめ、もう決まりね」
っていうお約束なヤリトリを経てお風呂場で二回戦目に突入。
楽しいマット体操を繰り広げた後、締めはやっぱりベッドでしょう!?とまさかの三回戦までこなしてしまいました。
・・・俺もさ。
お風呂までは楽しもうって気持ちでいられたんだけど、風呂から上ってラブホのあんまり明るくない照明の、ムーディーな部屋で二人でベッドでイチャイチャしてるとさ。
ほらその時点で二回もシてるじゃない?だから俺もクラマ君もまったりムードっていうかさ。
そういうまったりムードで他愛ないおしゃべりしながらクラマ君の身体触って。
少しずつゆっくりと愛撫のレベル上げて、イチャイチャから時間かけてエッチに移行してくと、どうしてもこう、恋人みたいな雰囲気になるっていうのかな……。
つい、こう…、口が滑っちゃった訳よ。
「好き」って。
というか盛大に何回も言ったんだけどね。
「好き」とか「付き合って」とか最早定番のフレーズになりそうな「可愛い」とか。
もう腐るほど囁いちゃったからねー。三回目のエッチの最中、ずーっと。
しかもクラマ君がそういう事を俺が言うと嬉しそうに甘えてくんのよ、コレが!
はい、正直憧れの先輩から寝取れるかもって期待しました。


でも結局クラマ君からは何の確約もないまま、その日は別れ。
その日のうちに「また会いたい」ってメールはしたものの返信はなく。
そうなると人間は不思議なもので、さっきまでの自信は無くなっちゃった訳ですよ。

だってさー。
クラマ君からの返信がないと俺、どうしようも無くない?
俺がクラマ君について知ってんのはぶっちゃけメアドだけだし。
住んでるところはおろか、本名さえ知らないって、はっきり言って何にも知らないのと同然だよね。
それなのに、クラマ君が本当は「憧れの先輩」とやらの事を憧れてるだけじゃなくて本気で好きなんだって事とか、余計な情報だけは知ってるから更に自信は減っちゃうし。
その「先輩」とやらはきっと俺よりもクラマ君の事を知ってるんだろうなーって思うと流石の俺もへこむ訳よ。
好きな食べ物とか好きな芸能人とか、俺の知らないそういう色んなクラマ君の日常ってヤツをさー。
同じ学校で同じ部活で、歳も近くて。
近くに居て、長い時間を共有してるって強いよ、やっぱ。

それにさ、クラマ君からの返信がないのに俺から何回も一方的にメールしてストーカーだなんて少しでも騒がれちゃったら、俺、ヤバい事になるし。
実際問題、既成事実があるんだし、淫行で一発退場でしょ?
条例的にもアウトだし、社会人としてもショタ専門ゲイなんて死刑宣告も同然だ。
好きな相手が他にいるってわかってる子相手に、そこまで危険な橋なんて渡れないっしょ?
一生懸命アプローチしたって想いが成就する可能性も低い上に、下手すりゃ地獄っていうね。
もっとクラマ君の気持ちに確信が持てれば別だけど、あやふやなまま危険を冒すって無理でしょ?
クラマ君の事は確かにまだ好きだし、出来ることなら本気で付き合いたいって思うけど、可能性を考慮に入れると社会人としての保身の方が大切になってくるのよ。
情けないって自分でも思うけど、これが偽らざる本音なんだよね。
しょうがないよ、ただでさえ大人が中学生と恋愛するってリスク高すぎるんだもん。
しかもその相手が男子中学生(他のヤツに絶賛片想い中)なーんて事になったら誰だって二の足踏むでしょ?


ま、という訳でクラマ君とはあの日以来なんにもありません!
俺からもそのメール一回以外、一切何にもなし!!

はい!クラマ君の話は本当に終了〜!!
ねー、もういいでしょ?
結構マジだったんだから、これでも傷ついてんだよ?マジで。
今後は一切クラマ君の話は禁止でお願いします!!


と、いうわけで〜。
今日は俺の傷心を癒すべく新しい出会いを求めて、とある少年と待ち合わせでーす!!わー、パチパチ!!
名前は神童拓人君!!
え?なんで今回はちゃんと名前を知ってるのかって?
ふっふっふー、それはですねー。

神童君と会うのが初めてじゃないからでーす!!




prev next

 


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -