11*



「俺…っ、かわ、い……ッ?」

不安げなクラマ君の声が耳元で揺れてる。
ああ゛ーッ、くっそ!
メチャクチャに甘やかしたい気持ちと、メチャクチャに乱暴にしたい気持ちが俺ん中でせめぎ合って破裂しそう。
それはどっちも根本ではクラマ君をメチャクチャに感じさせたいって気持ちに繋がってるんだから始末に終えない。
一時の気の迷いって事にしときたいのに、自分の中の気持ちはとことん「クラマ君が愛しい」って気持ちで纏まっちゃってるんじゃソレも無理そう。
あっさりとトドメの一撃をくらってしまった俺は泣きたい気持ちで、しがみつくクラマ君をこっそりと同じくらいの熱量でもって抱き返す。


「クラマ君は可愛いよ。不安に思う必要なんてないよ」

俺はクラマ君を抱きしめたまま、身体を起こした。
より深くなった結合に、クラマ君が漏らした吐息が不意に俺の肩に掛かって切なさを呼び起こす。
密着した対面座位はそれだけで、俺達を恋人気分にさせるから不思議だ。
こんなにも初対面の年上の男を魅了しといて、どうして自分に魅力がないって思えるんだろう?不思議だ。
ぐらぐら揺れてた俺の心の天秤が、甘やかしたい方向へと傾いていく。


「俺…、自分でオシリ弄っちゃうようなヤツだぞ……。
それでもかよぉ……ッ?」

「そういう快楽に弱いところも可愛いよ。
それだけ感じやすいってことだもん」

ハァ…、ハ…ッ、ふ、ぁ…。
不規則なクラマ君の呼吸を肌で感じながら、ゆっくりと自分の腰をグラインドさせる。
早急に貪ってしまいたくなくて、繋がったまま少しでも長く深くクラマ君を感じられるように全身余すところなくゆるゆると手を這わしてく。
密着させた身体が、髪や背中を撫でる手が、クラマ君の身体に再び欲望が戻るのを感じてる。


「止めなきゃって思ってるのに、…ぁ、く…っ、気持ちいーの、我慢出来なく、て、…はぁッ、毎日シちゃう、ん、だぞ……?」

「うん。すぐ気持ち良くなっちゃうクラマ君、可愛い」

グチュグチュと粘度の高いローションが少しずつ攪拌されてく音が小さく聞こえる。
俺の背中に回されたクラマ君の手が、少しずつ快楽に負けて爪を立て始める。
痛いはずなのになぁ。
何故か嬉しさと、それからもっと感じさせたいって気持ちしか湧き上がってこない。
俺はクラマ君の耳元で囁くと、もっと感じさせたくて耳の縁に舌を這わす。


「こんなの、んアッ!…おかしー、って思うのに、〜〜ッ、ぁ!…チンポだけじゃ、イ、イケなくて…ッ」

「それでお尻?」

クラマ君ってもしかしてもう半分ぐらい理性ないのかな?
自分がどんだけスゴイ台詞を言ってるか自覚なさそう。
クラマ君が俺の愛撫に上半身を預けて、腰をグチグチともどかしげに動かしている様子は、どう見てももっと気持ちよくなりたいのに慣れてなくて上手く出来ないって感じだ。
不慣れな様子が堪らない。
この子の初めては俺が貰ったんだ、ってまたふつふつと喜びが湧いてくる。


「ンッ!お尻、ぐちゅぐちゅすんの……ッ!
コリコリってしてるとこ、ゴリゴリッて……ッ!」

「ここ?」

「んんーーーーッ!!」

クラマ君の言葉に合わせて今まで緩やかにしか動いていなかった腰を、前立腺目掛けて突き上げてやる。
途端に、ヒクーッて喉を仰け反らせただけじゃなくクラマ君の身体は如実に反応を示した。


「アッ!アッ!そこぉ…!そこ、もっとぉ……ッ!!」

うわっ、なんだ今の!?
中が一気にぞわって動いた。
さっきは挿入と同時にクラマ君がイっちゃったからよく分からなかったけど、これはスゴイ!
トロトロに蕩けさせたいのに、クラマ君の身体がそれを許してくれそうにない。


「クラマ君、気持ちイイッ?」

「うんッ!イイッ!イイから、もっとぉ……ッ!!」

クラマ君のオネダリと極上の中の具合に、俺の中の天秤は簡単にメチャクチャにしたいって方へと比重を変えてく。
もう一度身体を支えたままクラマ君を横たえると、俺は上半身を密着させたまま腰だけを激しく使い出す。
斜め上空からチンポのえらで掻き出すみたいにクラマ君のいいところを刺激してやれば、クラマ君の声は掠れた甘い啼き声に変わる。


「ッアーーー……、コレぇーーッ、コレが欲しかったァァーーー……ッ。
本物のチンポ…ッ、きもち、イィよぉーー……ッ!」

クラマ君が歓喜に咽び泣いて、俺の背中に爪を立てる。
背中にクラマ君の爪が幾つもの赤い線を描いてく。
ッアー…、なんだこれッ!
クラマ君の啼き声に脳までヤられそう…!
俺はぐわんぐわんする脳で、本能のままクラマ君の啼き声まで食べようと顔を上げた。


「だめ…ッ!だめなのにぃーー……ッ!
俺…ッ、南沢さんが好きなのに、知らない人でイっちゃうぅーーー……ッ!」


その瞬間、ピキッて固まっちゃってキスしようとしてたことなんて吹き飛んでしまった。
しかも思いっきり奥突いた瞬間に固まったせいで、クラマ君は俺の目の前で盛大にイってくれた。
滅茶苦茶エッチで可愛いイキ顔を惜しげもなく俺に披露してくれた。
クラマ君は目を瞑って、身体を重ねてる俺の事なんて視野に入ってない様子で思いっきり俺の腹にねっとりとした精液を飛ばした。

ハハ…ッ、なんだコレ……。
クラマ君に酔ってたのは俺一人だけで、クラマ君は「知らない人間とシてる」っていうシチュエーションに酔ってただけって事?
しかも俺もクラマ君のイった時の締め付けで思わずイっちゃったし。


あーッ!くっそーー!!
なんでこんな最高のアナルしてんだよ!?
締め付けて吸い上げてくるってどんなアナルだよ!?有り得ねーよ!!
しかもなんでメチャクチャ俺好みのイキ顔してんだよ!?
我慢出来っこねーだろ!?あんなん!!


俺はぐったりと横たわるクラマ君の隣に身体を投げ出す。
さっきは思わず罵りそうになったけど、クラマ君は悪くない。
オナニー好きも、気になる先輩が居る事も。
ぜーんぶ俺が今日、クラマ君をイジめる為に言ってた事じゃんか。

あーぁ、結局はネットで出会う人間に本気になるなって事だな。
俺は溜息を吐きながら、綺麗とは言いがたいラブホの天井を見上げた。
それから今、粉かけてる何人かの少年たちを脳内でリストアップし返すと、隣でまだハァハァしてるクラマ君に視線を戻す。

・・・うん、可愛いから許す!

俺は開き直って、もう一度クラマ君に覆いかぶさる。
よーし!折角好みの子とラブホ来てんだから今日は楽しんじゃうぞー!!
こんな事で傷ついていられないと、俺はから元気でその後も何回もクラマ君を満喫したのだった。


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