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「ぷはっ!けちゅマンコって。
クラマ君って妄想の中でそういうオネダリしてんだね〜」

予想の遥か上を行くオネダリの言葉に、俺はつい噴き出してしまった。
だってさー「けちゅマンコ」は無いでしょー。どんだけ卑猥なエロ本から知識得てんだって感じ。
案の定クラマ君はムッとした表情になっちゃった。
あちゃ〜、ここで萎えさせちゃ焦らしの意味無いじゃん。
でもその心配は杞憂だった。


「〜〜〜ッ言ったんだから、早く……ッ!」

涙目で不機嫌そうに、クラマ君は再度催促してきた。
そう催促するのが心底悔しそうで、でもそう口にせずにはいられないって感じ。
ヤバ、さっきのオネダリよりもクラマ君のキャラに合ったこっちの言葉の方がグッとキた。

「うん、ゴメンネ」

二度のオネダリに充分煽られた俺は、ボトルキープしといたローションを普段よりも多めにちんぐり返しの格好のままクラマ君のお尻に掛ける。
ヒクヒクと穴の縁が蠢いて、指で押し込めてないのにローションが中へと流れ込んでいく。
っあー、視覚的にキタコレ。
ついでに俺は急いで自分のマグナムちゃんにもローションを振り掛ける。
焦ってこれまた多めに出ちゃった。
でもこれなら指で中に塗りこめなくても平気かな?
もうそんな余裕もない程俺も切羽詰まってる。
すぐさま太腿を顔の方まで抑えていた手を太腿を支える形に移行する。
ググッと押さえていたクラマ君の脚が俺の腰まで下がった正常位の出来上がり。
初めてなら正常位だって辛いだろうけど、ちんぐり返しよりは楽な体勢なはず。
このまま腰を押し付ければ、ぬっぽりと挿入できちゃう体勢だ。
そう思ったら俺は最後にもう一つだけ意地悪を言いたい気分になってしまった。
俺の性根はトコトン腐っているらしい。


「ね、これでクラマ君処女じゃなくなっちゃうけど、相手は憧れの先輩じゃなくて俺でいいの?」

顔を覗き込んで訊ねれば、クラマ君はキッと俺を睨んでからドンッて俺の胸を叩いた。
うっ、結構マジで痛い。


「これ以上俺に何を言わせたいんだよぉ…、ばかァ……ッ!」

それからクラマ君は腕をクロスしてばってんの形にして顔を隠した。

「もう…、早く……っ」


……そうだよな、今のは少し意地が悪すぎた。
今の言葉は羞恥を煽る為っていうより、クラマ君を傷つける言葉だった。
俺はクラマ君に受けたパンチ以上に痛かったであろうクラマ君に、胸がズキッと痛んだ。
俺の性根も腐りきってはいないみたい。
もう意地悪はしないから。
だから許してね?クラマ君。
ゴメンねの気持ちを込めて俺はクラマ君のおでこに掛かってる髪を撫で付けると、何も言わずにグッと腰を押し進めた。
先端が滑り込んだだけでクラマ君のソコが待ちくたびれたとばかりに、俺自身に抱きついてくる。
悦んで俺を迎え入れてくれてる感触に抑制が利かず、俺は一気に入るだけ奥に突き入れてしまった。


「ッ!アァっ!!」

クラマ君の顎が跳ね上がる。
ヒクヒクとした痙攣がクラマ君の脚の付け根からつま先に伝わって、俺の背筋を震わせる。
それからビュクッて、俺とクラマ君のお腹の間に精液が飛んで二人の上半身に平等に散っていった。
挿入と同時にイっちゃうなんて、クラマ君てば初めてなのにえっちなんだからぁ。
いつもだったらそう思って、からかいの言葉の一つも出ちゃうとこだけど、でも今はそれ以上に俺相手にここまで感じてくれてるクラマ君に愛しさが湧いた。
もう意地悪はしないって決めてはいたけど、その決意以上に甘やかしたいって気持ちが溢れてくる。
……ヤバいなぁ、これ絶対良くない傾向だ。
そう頭のどっかがストップかけてるのに、俺の上半身は未だ絶頂の余韻に浸ってハァハァしてるクラマ君の方へと倒れてく。
俺とクラマ君のお腹に飛び散っていたクラマ君の精液が、ぐちゅって音を立てて再び混じり合っていく。


「クラマ君……」

「ふ、あ…ッ」

余韻のせいで不確かなクラマ君の意識を俺に向けたくて、クラマ君の顎をクイッと持ち上げる。
だらしなく開いていた唇から新たな吐息が漏れる。
俺はクラマ君の言葉も待てずにその可愛い口を塞いだ。


「クラマ君、可愛い……」

「ッ!」

精液だけじゃなく、今度はお互いの唾液が混ざっていく。
あー、ヤバ!これは本当に由々しき事態かも!!
出会い系で出会った子供に、いい歳した大人がマジになっちゃ問題でしょ!!
そう思うのに、クラマ君から身体を離せるとはもう既に自分でも思ってない。
二回目のクラマ君の唇は、背徳の味さえ感じさせる堪らない程の官能を俺に与えてくれた。

 

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