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俺は不動の方の指を引き抜く。
そしてさっきみたいに今度は自分自身にローションを塗す。

先程まで二本の指を難なく咥え込んでいた不動の中を思うと、そこが否応なく昂る。
入り口は逃がさないようにきゅっと締めつけてくるのに、奥は柔らかく包み込んでくるソコ。
鬼道の中の指を増やしながら、
不動のもう十分受け入れ態勢のできたそこへと自分の欲望を宛がう。


「いいぜ、源田。来いよ」

そう言って俺に向かって両手を広げる不動は、
さっきまでと違って仰向けになっているから、欲に染まった顔がはっきりと見える。
後ろの、本来違う目的を果たす場所に、
男の欲望を宛がわれて興奮している様子は堪らなく淫らに見える。
もしこの世に淫魔が本当にいるのなら、不動の形をしているのではないか。
そう思える程、その姿は淫靡なものだった。

床に膝を着き、下から押し上げるようにゆっくりと不動の中を推し進める。
指なんかとは比べ物にならないくらい、そこは締め付けてくる。
きつくねっとりと絡みつくソコは、自慰なんかとは比べ物にならない程気持ちいい。
俺は半分我を忘れて、抽出を繰り返す。

「はっ、あっ、…ふぁっああん」

不動の声で我に返り、不動の声で我を忘れる。
不動の体は反り返り、俺が腰を突き上げると、きゅうきゅうと軋む。
その時に声が漏れるから、申し訳なくなって自分にストップが掛かり腰が引ける。
でも、次の瞬間にはまたあの声を上げて戦慄く不動が見たくて歯止めが利かずに、
激しく腰を打ち付けてしまう。

「源田ぁ、源田ぁ、指増やしてぇ」

不動の乱れる姿に、鬼道が恥らうこともせずに強請る。
鬼道も早く自分が欲しいのかと思うと可愛くて仕方ない。
腰を動かしながらだから指を入れる動作もつい乱暴になってしまう。
それでも鬼道は指が増えると愉悦の声を上げる。


目の前で違う声の喘ぎ声が左右から聞こえる。
二人もお互いの声に煽られているみたいで、競うように声を上げている。

不動が弓なりになると、立ち上がったそこが頂上のように山を描く。
俺はそれを掴むと、上下に扱いてやる。
利き手は鬼道の中にあるから、どうしたって利き手じゃない方で施さなければならない。
靄の罹った頭では余計力加減が分からない。

「やぁっ、やぁっ、やあああっぁぁ」

ぴゅっぴゅと呆気なくそこから欲望の印を吐き出すと、ぐったりと不動はベンチの上に横たわる。

なんとか不動の最後の締め付けを乗り切った俺は、鬼道のそこから指を引き抜く。
今まで指を入れていたのは、自分自身で鬼道のそこを味わう為。
準備だけして実際に味わうことをしないなんて自分には出来なかった。

鬼道も荒い息で四つんばいのままで、俺を振り返る。
その顔は口がだらしなく開き、髪が乱れ、いつもの清廉さが全く無い。
俺は、欲望に染まった瞳が見たくて、トレードマークのゴーグルを剥ぎ取る。
案の定そこは赤く染まり、今か今かと俺を誘うように見つめていた。

「んあっ」

無遠慮に一気に奥まで突き上げると、鬼道が大きく声を上げる。
狭くてぎちぎちの所を、ぎりぎりまで腰を引き、また一気に突き刺す。
奥まで突いた状態で腰をぐりぐりとグラインドさせると、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。
動かなくても男の精を搾り取るように吸い付いてくるから堪らなく気持ちいい。
同じ場所なのに不動のそことはまた違った感触だった。

後ろからガンガンに突くこの体勢は、鬼道を征服したような気分にさせる。
地に堕ちた女王様…今の鬼道の姿はまさにそれだった。
王者の証であるマントを揺らし、俺の動きに簡単に乱れる淫乱な女王様。
後ろから腕を引けば、普段はあまり見えない首をそり返して淫らに喘ぐ。
後ろから圧し掛かるようにその細い首筋に喰らいつく。
歯を突き立てると、後ろがさらにきゅっと締まる。
俺が後ろから揺すりながら前を扱いてやると、首を左右に振りながら、俺の手の中に呆気なく精を吐き出す。
その鬼道を完璧に制圧した瞬間、俺も鬼道の中から引き抜き、その尻に欲望を掛ける。
さながら狩り捕った獲物をマーキングするかのように。


 

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