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初めて見る鬼道の素足。
いつもマントで体を覆い、ほとんど肌を見せない鬼道の露出は、
たったそれだけでも目が奪われる。

腰を引き寄せ、片足を掴む。
剥き出しの指を口に含むと、鬼道が恥ずかしそうに体を捩る。
でも、片足を俺に掴まれているから逃げることも叶わない。


「っふぁ、…やっ、…だめ、だっ」

一本一本感触を味わうように口に含むと、鬼道がくすぐったいのか声を漏らす。
思う存分、指の感触を満喫した俺は、そのまま舌を踝の方へ移動させる。
足首を掴んだまま鬼道を見上げれば、鬼道は呼吸を乱して顔を上気させている。
あの冷静沈着な鬼道が俺の手で乱れていると思うと、雄としての支配欲が満たされる。

顔を見つめたまま、鬼道の足の内側を下から上へとなぞる。
それだけのことで鬼道は何かに耐えるように体を震わせると、
赤く染まった顔を俺から逸らした。
上までなぞると、鬼道のユニフォームが邪魔でそれ以上舐めることができない。
仕方なく太腿の辺りで舌を何往復もさせる。
もっと上まで、もっと中まで鬼道を舐めたいのに、服が邪魔でできない。
ユニフォームの隙間から少しでも、見たことの無い中を舐める。

「あっ、…はぁ、ん…げんだぁ」

繰り返している内に、鬼道の荒かった息に、焦れたような言葉が混じってくる。


「脱がしていいか?」

そう訊ねると顔を逸らしたまま、それでもこくりと頷く。
俺は恭しく鬼道のユニフォームに手を掛ける。
ふるんと勢い良くでてきた鬼道のソレは、俺のと同じなはずなのに、全く違って見える。
大きさとか色ということではなく、
それが鬼道のものだというだけで、綺麗で、それでいて淫靡なものに見えてくる。

俺はそこに敬意を持って口付けする。
秘すべき場所を俺に晒してくれているのだから丁寧に扱いたい。
恭しく何度も何度も色々な所に角度を変えて口付けると、だんだんと蜜が滴ってくる。
零れ落ちそうなそれが勿体無くて、舌で拭い取る。
でも、拭っても拭っても後から後から溢れ出るから、そこから舌が離れられない。

「やっ、やぁっ…もうっ、ん、んっ」

もうこれ以上脱がす物も無いのに、鬼道の口からは今だ焦れた声が出る。

「…?」

俺が不思議そうに鬼道を眺めていると、不動がにやにやしながら俺の首に抱きついてくる。

「もうギブだって。
焦らすのは止めて咥えて欲しいんだろ。
なあ?鬼道クン」

不動がそう言うと、鬼道はイヤイヤと子供みたいに首を横に振る。

「どうなんだ?鬼道」

俺にはどっちなんだかさっぱり分からなくて鬼道に素直に訊ねてしまう。

「源田は鈍ちんだから、はっきり言わないとしてくんねーぞ」

不動が俺の首を舐め上げながらニヤニヤする。
鬼道はそんな不動をいつもより大分弱い眼光で睨み、たっぷりと逡巡した後、口を開いた。


「…してくれ、源田」

恥ずかしそうに真っ赤になりながら言う姿は清純そのものなのに、
口から出たのはたぶん淫らな願い。
目的語をわざと省いたその言葉は、随分あやふやなものだった。

「鬼道のを咥えればいいのか?」

よく分からなくて、一番可能性が高そうな行為を口にして訊ねる。
でも、訊ねた瞬間に不動が笑い出す。

「そおそお。
鬼道クンはイヤラシイ液でぐちょぐちょのちんぽを源田に咥えて欲しいんだって。
あの天才ゲームメイカー様がケツ振っておねだりしてんだから、やってやれよ源田」

その汚い言葉に、俺は眉を顰めて不動を睨んだ。
でも、鬼道は何も言わずに泣きそうな顔をしているから、
俺も結局何も言わずに鬼道のそこへ顔を寄せる。
もう一度だけ蜜を舐め取ってから、全体をゆっくりと口の中へ納めてゆく。

「あっ、あっ…あぁっ」

俺の頭を押さえながら、ふるふると震えて声を漏らす鬼道が可愛らしい。
俺が頭を前後させるとさらに可愛らしい声が鬼道の口から溢れてくる。
足をがくがくさせて、立っていられないといった風にベンチに座り込んでしまう。
そうなると、不動が抱きついてる今の体勢では続きをするのが難しい。

「不動」

俺は体勢を変えたくて、不動の名前を呼ぶ。
すると、不動は荒い息の鬼道を一瞥した後、俺に甘えた様に顔を近づける。


「なあ、そろそろいいだろ?
後ろ、解してくれよ」

そう言うと、俺の口に今日何度目かの深いキスをした。


 

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