2



「どう?木暮君。
お二人は着替え終わってた?」

春奈はロッカールームの前で中をこっそりと窺ってる小暮に声を掛けた。
練習が終わって、食事の時間になっても中々姿を現さない風丸、吹雪の両名を心配して、マネージャーの春奈が木暮にロッカールームを見に行かせたのだ。

「シーッ。
静かにしろって。
ヤバいよ、アイツら抱きあってたぞ」

「えっ、嘘!!」

声を掛けた春奈を咎めるように声を潜めた小暮に、春奈が一気に色めき立つ。
そこはかとなく嬉しそうなのは何故か。
二人で重なり合ってこっそりとロッカールームを覗く。

「きゃ〜、本当だ!」

春奈が嬉しそうなのは何故か。(二回目)

「な、ヤバいよ。
さっき『大切』とか言ってたぞ」

「美形二人だと絵になるね」

囁きあう二人が嬉しそうなのは何故か。(三回目)


かくして最悪の二人に見つかってしまった風丸と吹雪は、
在らぬ誤解を受けチーム内でのカップル誕生をこの後皆に祝われてしまうのだった。


 END

 

prev next




「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -