「どう?木暮君。
お二人は着替え終わってた?」
春奈はロッカールームの前で中をこっそりと窺ってる小暮に声を掛けた。
練習が終わって、食事の時間になっても中々姿を現さない風丸、吹雪の両名を心配して、マネージャーの春奈が木暮にロッカールームを見に行かせたのだ。
「シーッ。
静かにしろって。
ヤバいよ、アイツら抱きあってたぞ」
「えっ、嘘!!」
声を掛けた春奈を咎めるように声を潜めた小暮に、春奈が一気に色めき立つ。
そこはかとなく嬉しそうなのは何故か。
二人で重なり合ってこっそりとロッカールームを覗く。
「きゃ〜、本当だ!」
春奈が嬉しそうなのは何故か。(二回目)
「な、ヤバいよ。
さっき『大切』とか言ってたぞ」
「美形二人だと絵になるね」
囁きあう二人が嬉しそうなのは何故か。(三回目)
かくして最悪の二人に見つかってしまった風丸と吹雪は、
在らぬ誤解を受けチーム内でのカップル誕生をこの後皆に祝われてしまうのだった。
END
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