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チュっとリップ音を立てて土門の唇が離れると、
その音に初めての絶頂に意識を半分飛ばしていた円堂は、はっとしてどんどん真っ赤に染まっていく。
それと同じ速度で目に涙を溜めた円堂は、ばっと自分の下に敷かれた鬼道のマントを見る。
それは自分の腰の下あたりの部分だけ丸く濡れている。
「〜〜〜〜っ」
居た堪れなくって、その部分をぎゅうっと掴む。
下を向いてるから涙が勝手に零れてしまう。
「土門の馬鹿…っ」
低く呟き、乱暴に手の甲で涙を拭う。
「土門の馬鹿っ。俺、こんな…っ。
うっ、俺、中学生なのに、おっ、おもらしなんて…っ。
土門の馬鹿野郎っ!」
「まもちゃん」
土門が名前を呼んでも、円堂は唇を噛み締めたままで顔なんて上げることが出来ない。
お漏らしをしたってだけでも恥ずかしいのに、その瞬間を親しい仲間四人に見られてしまったのだ。
恥ずかしくって、穴があったら入って蓋を閉めてその上から土で覆ってしまいたい。
「大丈夫だよ、まもちゃん。これ、おしっこじゃないから」
「ふぇっ?」
俯いて鬼道のマントを隠すように握り締めている円堂の頭に、土門がふんわりと手を置く。
「潮って言って、女の子が出すえっちなお汁なんだ。
だからおしっことはちょっと違うかな」
「…本当か?」
「本当、本当。誰もまもちゃんがお漏らししたなんて思ってないから大丈夫だよ。なっ」
三人を振り返ると、涙目の円堂に三人は宥めるように大きく頷く。
「ふぇっ、良かったよぉ〜」
その途端、安堵で円堂は目の前にある土門の腰に抱きつく。
腰にぐりぐりと頭を押し付けてから円堂は土門を見上げた。
「でももうさっきの嫌だかんな。
おもらししたみたいだから!」
「はは、でも気持ちよくなかった?
まもちゃん、こんなにえっちな汁出して可愛い声いっぱい出てたよ」
そう言って見せる右腕は、手は元より肘の辺りまでぬらぬらと淫液が滴り濡れそぼっている。
かあっと一気に先程の頭の中が真っ白になった瞬間が蘇ってくる。
「うっ、…確かに気持ちよかった、けど…」
「でも嫌だ?」
「…おう」
円堂らしい素直な言葉に、土門は目を細める。
「じゃー、もうしない。まもちゃんが嫌がることはしたくないし。
だから今度は一緒に気持ちよくなろっか?」
「一緒に?」
きょとんとした円堂を器用に汚れた腕が触れないように抱き上げると、床に降ろす。
「これ、そろそろまもちゃんの中に入れたいな」
ずるりと土門が出したソレは、もうすっかり鎌首を擡げている。
土門らしいやや細く、でも今まで円堂が見た中でもダントツに長いソレ。
ふるりと円堂の背を甘い痺れが走る。
「ん…っ」
一気にスイッチの入った顔をして頷いた円堂を満足そうに見てから、土門は鬼道の方を向く。
「なあ、どうせもう汚れちゃったしマントで手拭いていい?」
「…ああ」
凄く嫌そうな顔で承諾した鬼道に土門がにっこりと笑う。
そして手を拭いてから、テーブルに綺麗に敷き直し、その上に軽く腰掛ける。
「まもちゃん」
座ると余計土門の逸物がまるで塔のようにそそり立つ。
ぞくぞくっとして目が離せない。
「俺の上来れる?テーブル固いからまもちゃんが下だと腰痛めちゃうからね」
そう言われても、もう円堂の腰から下はぐずぐずで脚を広げてテーブルに上がるなんて出来そうも無い。
甘い吐息をはいて、困ったように自分を見上げた円堂を、土門はくすりと笑って抱き上げる。
「ほら自分で入れてごらん」
向かい合って座っているから、ぐずぐずに蕩けているところに土門の熱が当たっている。
早く欲しくて、円堂はソレに擦り合わせるように腰を浮かす。
土門のソレは高く昂ぶっていて、入り口に宛がうと土門の顔よりも円堂の顔の方が高くなる。
「あっ」
蕩けた入り口は熱の塊に、きゅうんと蠢く。
早く奥まで欲しいのに変になってしまいそうで、怖くなってゆっくりと腰を下ろしていく。
「ああんっ」
カリの部分が入り口を抉って、思わず声が出てしまうのに、腰の動きは止められない。
自分の中を土門の肉棒が押し上げるように侵食していく。
「はぁーっ、はぁーっ、…あっ、あっ、…入ったぁっ」
円堂の顔が時間をかけて土門より低い位置に来た時、
円堂は自分のお腹の中を隙間なく埋める熱量に嬉しそうな声を洩らす。
「はっ…まもちゃんの中、ぬるぬると絡み付いてすっげーイイ」
「んっ、俺もっ。…俺ん中、土門のでいっぱいになってるっ」
一つになっただけで紅潮した顔で息を荒くした二人は、おでこをこつんとくっつけて囁きあう。
そしてふっと笑いあうと、円堂は顔を心持上に上げる。
なんだか凄くキスがしたい。
見上げた土門の顔は、少し呼吸が荒く、切なげに目が細められている。
――ああ、えっちな顔ってきっとこんな顔の事だ。
円堂は初めて自分が土門に欲情している事をはっきりと悟った。
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