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「うん、やっぱりこっちの方が俺は好きだな」

そう呟きながら、ずぷりと一気に奥まで指を挿す。

「ああんっ」

いきなり奥まできた衝撃に円堂の背が縮こまる。
前かがみになってしまった円堂の体を、土門は胸を抱えて引き寄せる。
勿論、指は激しくぬかるみを抜き刺ししたままで。

「あんっ、あんっ、…んはっ、やっ、はぁっ」

「…まもちゃん、随分善さそうだね」

「んんっ、…どもぉっ!きもちぃっ、きもちいぃよぉっ」

目を瞑り微かに腰をくねらせ快感に浸る円堂を、土門はくすりと愛おしそうに笑みを溢す。
抱き寄せた胸の先を手のひらで撫でながら、その耳元で囁く。
円堂が耳も弱いことは、先程豪炎寺が耳を攻めていたのを抜かりなく見ていたからもう知っている。

「ほら、前見てごらん。
恥ずかしいところに指入れられて感じちゃってるえっちなまもちゃんの事、皆見てるよ」

「ふぇっ?」

円堂が目を開けると、瞬き一つしないで円堂の痴態に釘付けになった三人が居た。
かあっと円堂の顔に熱が集まる。

「あっ、やっ!見んな!見んなってばぁっ…あっ!?ん、やああっ」

真っ赤になって涙目で顔を振る円堂は、
その途端くいっと中で引っ掻くように指を曲げられ一際大きな嬌声を上げる。

「ひゃあっ!やめっ、そこ、なんかへんっ!」

「いーよ、変になっちゃって」

いつもと違う、体の内側から何かが溢れてくるような快感に、
円堂は慌てて土門の腕を押さえる。
少しでも視線を前に向けると、そこには変わらず自分を見詰める三人がいて、
恥ずかしくって体中が熱くなる。
それなのに土門の指は止まらなくて、声すら抑えることが出来ない。

「ああんっ、やあんっ、やっ、やめっ、やあああー」

ぷちゅぴちゃじゅっぷじゅっぷ

もう水音も粘り気のあるものから随分とさらさらとしたものへと変わっている。


「やっ、やばっ、どもっ、どもんっ!
は、放せっ!おしっこ漏れちゃうぅぅっ」

少しして円堂が体を急に固くして叫びだす。

「おしっこ?」

「でるっ!手ぇ放せってぇ!」

土門がそこを押すように掻く度、つい洩らしてしまいそうになる。
自分でも戸惑うくらい、円堂を急な尿意が襲ってくる。

「ん〜、じゃあ、はいどーぞ」


――それ多分おしっこじゃないんだけどな。
…でも、そろそろ体勢変えたいし、ま、いっか。

一瞬考える素振りをした土門は、すぐぱっと円堂から手を離す。
指も当然抜いて、反対の手で円堂の背中を押す。

「待ってるからトイレ行ってきていいよ」

土門は快く送り出そうとしているのに、円堂は不思議そうに首を捻る。
中からの刺激が無くなった途端、あんなに漏れそうだったのに尿意がどこかへ消えてしまった。
それよりも今はあそこがじんじんと疼く方が辛い。
トイレへ行く間も惜しい。

円堂は尿意ではなく、違った原因で脚を摺り合わせる。


「なんかおしっこ平気になった」

「そう?じゃー、続きしよっか」

とんっと軽快に土門がテーブルから降り、円堂の前に廻る。
前になると、土門の『続き』ていう言葉に顔を羞恥で仄かに染めた円堂がいた。

「恥ずかしい?
なら俺に抱きついてれば皆から見えないから大丈夫だよ」

「おう!」

素直に自分に抱きついてくるのが、土門は可愛くて仕方ない。

もう円堂の羞恥心を煽る為のギャラリーは必要ない。
そんなもの無くても円堂は、
もう少しで潮を吹き、頂を越えていく。

ちらりと後ろを振り返り土門は、
興奮と悔しさを滲ませた顔をしたギャラリーから隠すように円堂と体を重ねる。
ここから先の円堂は誰にも見せたくない。
その瞬間は自分だけのもの。


自然と笑顔になった土門は、そのまま円堂を横たわらせながら唇を重ねる。

「んっ」

首に手を回しぴちゃぴちゃと懸命に舌を絡めてくる姿が愛おしい。

「はぁっ…まもちゃん可愛い。
もう途中で止まんないからね」

至近距離で土門が見詰めると、円堂はん。とこくりと頷く。

「んんっ・・・んっ、ふあっ」

キスをしたまま指を入れれば、とろとろのソコはすんなりと呑み込んでいく。
でも中はぷっくりと膨れ、指をきゅうきゅうと締め付ける。
・・・限界が近い証拠だ。

「あっ、やっ、やあっ、そこ、ああんっ!」

激しい指の動きに円堂はキスを続けられず喘ぎだす。
急な動きにも、先程まで限界まで昂ぶっていた円堂は、
痛みよりもそれを凌駕する大きな快感の渦に簡単に飲み込まれていく。

「やっ、やだっやだっ、そこ、やだあっ!
でちゃっ、おしっこでちゃうからあ」

「ん、出していーよ」

円堂の目尻に浮かんだ涙を土門が舐め取る。
半泣きで縋るように土門を見上げても、甘い顔で笑うだけで容赦ない責めは止まらない。

「やらっ、やらああっ!どもっ、やめっ!
でちゃっ、でちゃうよおおおっ」

土門の腕をぎゅうっと押さえ、
ぴゅくぴゅくっと堪えきれずに時折迸らせながらも下肢に力を入れ懸命に我慢する。


「俺だけに見せて。まもちゃんが初めてイクところ」

そんな頂の上でぐらぐらと揺れている円堂に土門が最後の一押しをする。
・・・もう片方の手でピンク色の可愛らしいクリトリスを撫で始めたのだ。

円堂の体がびくりと跳ねる。


「あっ!?やっ、やっ、やああああっ!」

一際高い声をあげ、ぷしゃあっと潮を滴らせ、がくがくと体を痙攣させる。

紅潮した顔に、目の前にあるのに土門を見ているかどうかわからない瞳。

――可愛い可愛い、おれだけのまもちゃん。


土門は自らの手で初めての絶頂を迎えさせた円堂の頬にそっと顔を寄せた。


 

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