#4土門



#4土門




「ねー、土門はどうする?」

ふぅっと爽やかに汗を拭いながら、一之瀬は円堂から体を離して土門を振り返る。

「俺、五回も出したし流石に打ち止め。
土門の番だよ」

「う〜ん…」

土門は、『自分の番』という言葉に腕を組み唸る。

――いやー、普通に考えてこの状況でヤるのは拙いよなぁ。


もう完全に夜と言っていい時間。
毎日使っているサッカー部の部室。
固いテーブルの上に、申し訳程度に敷かれた鬼道のマント。
そして、イラマチオをかました上に抜かずに四発もした一之瀬。


――でもなぁ…。

ちらりと横を見ると、
先程から青筋を立てて唸っている鬼道と、
ロッカーに腕組みしながら寄りかかり貧乏ゆすりをしている豪炎寺がいる。

今という好機を逃したら、この二人が円堂に指一本触らしてくれないのは確実に目に見えている。


――それに、ねぇ?

部室のテーブルの上には、はぁはぁと荒い息でくったりと体を横たえている円堂の姿がある。


――もう十分、煽られちゃってるしね。



「なあ、俺と円堂だけで場所変えて、ってのはナシ?」

駄目で元々と、土門は傍に居るおっかない円堂の番犬二人に提案する。

「無しだな」

「二人きりなど言語道断」

予想通りの即答に、土門は苦笑を浮かべる。

「う〜ん、俺、性癖至ってノーマルだから、こういう公開プレイって好きじゃないんだけどな」

やや俯いてぽりぽりと後頭部を掻くと、顔を上げ、にっぱりと笑う。

「ま、円堂とヤれるんなら、多少の事は我慢しなきゃかな」


ばさりとジャージの上を脱ぎ捨てて、円堂の居るテーブルに土門が近づく。

「ん、どもん…」

自分の前に立った土門に、円堂が少し気だるげに体を起こす。

トレードマークのバンダナは所々かぴかぴと歪み、
汗を吸ってずり落ち、欲に濡れた瞳を半分隠す。
そのせいか顔に影が差し余計淫靡な雰囲気にさせている。
それでなくても土門を見上げる顔は、
頬は染まり、口がだらしなく開いていてこの上なくエロい。
どうしても普段の円堂とは結びつかない。

「どう円堂、まだ大丈夫?」

「おう、全然平気」

にかっと笑う顔の造りは同じでも、雰囲気がまるで違う。


「なんか変な感じ」

土門が後頭部に手をやり、苦笑する。

「円堂にこーんな立派なおっぱいがあって」

「んんっ」

くりりと荒淫で赤く腫れた乳首を抓む。

「ここから一之瀬のザーメン垂れ流してるなんてね」

そして反対の手で脚を割り、股の間を伝う白濁液をなぞりながら、円堂の秘穴へと指を這わす。

「あっ」

ぐちゅりと粘度の高い水音が響く。


「ねえ円堂って感じがしないから『まもちゃん』って呼んでいい?」

ぐちゅぐちゅと一之瀬の出したモノを掻き出すように指を抜き差しする。

「あっ、あっ、…んぁっいぃっ、呼んでも、いい」

「…こんな事でも感じちゃうまもちゃんって、すっごく可愛いーね」

指が抜き差しを始めた途端、円堂は目の前にいた土門の肩にすがりつく。
ぎゅうっと土門の頭を抱き締め、もう返事もちゃんと出来ない円堂に、
土門は鎖骨辺りにちゅっと口付ける。

そしてつぷりと指を抜くと、円堂の顔の前へと白く彩られた己の指を持っていく。


「まもちゃんは精通まだなんだよね。
じゃあさ女の子になってからはイったことある?」

土門が女の子向けの甘やかした声でにっこりと笑う。


「女になってから俺が行ったの、鬼道んちと学校だけだぞ」

「予想通りのお約束回答ありがと。
そうじゃないんだけど、多分そうなんだろうな」

土門は円堂の恥じらう事無く出た答えに、一人納得する。


――意味が分からないなら、多分円堂は知らない。
あの快楽の限界を越えてイク感じ。


きょとんとした顔の円堂は、ちょっとだけ普段の無垢な円堂を彷彿とさせる。
まだ、豪炎寺にも鬼道にも一之瀬にも荒されていない部分。
その部分に自分が一番先に踏み入れることが出来る。

・・・そう思ったら自然と土門は笑っていた。


「んー、俄然やる気出ちゃったなぁ。
んじゃ、俺がまもちゃんをイカせてあげようかな」

「??
なあイクってどこにイクんだ?」

円堂の質問に土門は答えないままアンダーTシャツを脱ぐ。
そして引き締まった上半身を晒し、いつもの軽い調子で答える。

笑っているのに、瞳だけは雄の本気を剥き出しにしたままで。


「この世の天国」


 

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