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「それじゃあ、はい」
にっこりと爽やかに微笑んで、一之瀬がタオルの敷かれたテーブルに座って足を開く。

「円堂、舐めて?」

そう言われたって円堂だって初めてで、どうしていいか分からない。
戸惑いながらも一之瀬の足の間に膝を着く。

顔の前に一之瀬の屹立がくる。
一昨日までは自分にもあったモノなのに、
今では目に入るだけで凄くドキドキしてしまう。
顔を近づけると、先から透明な液が染み出ていて、
部活後だからか、そこから微かに臭いを発している。


「なんか出てる」
円堂がそこに指を触れながら呟くと、一之瀬が頭を撫でてくれる。

「円堂が舐めてくれるかと思うと嬉しくて、溢れてきちゃった。
舐めとってくれる?」

そこから指を離すと、少しだけ指が糸を引く。
おしっこかと思ったらそうじゃないらしい。

「なあ、これがみうく?
でも白くないしなぁ」

糸を引くのが楽しいのか、何度も何度もそこに指をくっつけながら首を傾げる。
その様子に一之瀬と土門が目を丸くする。

「あれ?
あー、円堂ってもしかして、…精通まだ?」

「せいつーって?」

きょとんとする円堂に、一之瀬は言葉を失う。

――ちゅ、中二なのにっ!


「おいっ、円堂あんなこと言ってるぞ!
お前らあんな純真な円堂を手篭めにしたんだぞ!
心が痛まないか?」
土門は隣に立つ鬼道と豪炎寺に尤もな事を言う。
流石土門、傍若無人な一之瀬の親友だけあって、
ちゃんと鬼道と豪炎寺というキャラの濃い二人にもきっちり注意出来る。

自覚のある鬼道は暗い表情で眉を寄せるが、
豪炎寺は平然としたままだ。

「遅かれ早かれ、どちらにせよ円堂は俺とシてたはずだからいいんだ」

「って!それにしたって順序ってものがあるでしょーが!!」
動じない豪炎寺に土門も呆れた顔でツッコミを入れる。


あんぐりと口を開けた一之瀬から、三人の方を向いて円堂が声を掛ける。

「なあ、Say twoってなんだ?」

「ああ、一人前の男になった証拠のようなものだ」

「Say twoがぁ?」

円堂と豪炎寺が微妙にかみ合っていない会話を続ける。

「一人前の男はエッチな気分になるとちんちんが大きくなる。
そして気持ちいいのが最高潮に達するとみうくが先から出る。
それを初めてする時の事を精通という」

「へ〜、そうなのか!」
円堂が一つ賢くなったって顔で頷く。

「じゃあ、俺ってまだ一人前の男じゃないってことか!?
あっ!でも俺のちんちんが特別小さいって訳じゃないんだよな?
へへへ〜良かった!
実は俺ってちんちん小さかったんだなって思ってたんだよな」
そう笑顔で言うと、もう一度一之瀬の方を向く。

「なんだよ、俺の事『えっち、えっち』って言うけど
一之瀬だって十分エッチじゃないか!」
そう言うと十分大きくなっている一之瀬のソコをぎゅっと掴む。

「いてっ!
もう、円堂がえっちだから俺のちんちん大きくなったんだよ?
だからお勉強は終わりにして、責任取って早く舐めてよ」

「んっ」

言葉と共に円堂の口に押し付けられる一之瀬の腰。
円堂は口をちょんとノックしたソレに恐る恐る舌を延ばす。

「んんっ」

少し濡れている先を、舐め取るように舌を這わせば、
生臭い匂いと、ぬるっとした感触と共に少し塩苦い味が広がる。

「んっ」
もう一度舌を這わすと、やっぱり生臭く苦い味がして、決して美味しいものではない。

それなのに、それなのに…。

「んんっ、んっ、…はぁっ、ちゅぱっ」

「円堂、おいしい?」

円堂は首を大きく横に振るが、舌は先を舐めたままだ。
どうしてだか、さっきから『えっちな気分』になってしまう。
次から次に溢れてくる蜜が嬉しくて、もっともっと零れさせたい。

「ふぁんっ、…んちゅっ、んんっ、んっ」

えっちな気分が止まらなくて、下肢が揺れる。
でも、舌は止まらなくて、もっと欲しくて、
ついには先に吸い付いてしまう。
そう、まるで赤ちゃんがミルクを飲むみたいに。

「んっ!…そう、上手いよ円堂。
そのまま奥まで銜えてごらん」

「んっ、…こうか?」
一之瀬を見上げながら、円堂は素直に口に入るだけ一之瀬のモノを銜える。
見上げた顔は欲に塗れていて、劣情を煽る。

「そうっ!
円堂、歯、立てないでねっ?」

「ふぇっ?」

少し弾んだ声の一之瀬に返事をする間も無く、円堂は頭を掴まれる。
そしてそのまま、頭を押さえられた状態で、激しく一之瀬に腰を出し入れされたのだった。

「んっぷ、…やっ、くるひっ…ひゃめっ」

初めてなのに喉の奥まで犯され、円堂が苦しそうに声を上げる。
その様子に豪炎寺と鬼道が殺気立つ。
一之瀬を円堂から引き離そうとした瞬間、一之瀬の声が響く。

「出るっ」

そう、豪炎寺と鬼道が引き離すよりも早く、一之瀬は円堂の口の中で達したのだった。


 

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