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「大丈夫か、半田?」
半田と体を密着させながら鬼道が労わるように囁く。
コクコクと健気に頷いた半田ははっ、はっ、と短い呼吸を繰り返す。
「あつぅっ!…あついよぉ!」
凄い圧迫感と共に自分の中に入ってきたモノは、
鬼道の言うとおり指なんか比べ物にならないぐらい熱かった。
熱くて、熱くて、其処が痺れたようにじんじんする。
もうその自分の中にある、凄まじく熱を放つモノのことしか考えられない。
「痛いか?」
鬼道がぎゅっと肩を抱き締めてくれる。
でも、そんなことよりこの熱をどうにかして欲しい。
半田はその思いで、縋るように自分の肩の所にある鬼道の顔を見つめる。
「ちがぁっ…あっちいのどうにかしてぇ。
お腹ん中じんじんして苦しぃよぉ」
痛みを然程感じていない半田に鬼道が少し驚いたように苦笑する。
「ゆっくりお前の善い所を擦ってやるから、少し円堂の方に集中してろ」
そう言うとゆーっくりと腰を引く。
「ふああん」
腰に合わせて半田が排泄に似た快感を得て声を上げる。
少し角度をつけて、擦るように前立腺付近を指よりも太いモノで抉る。
「ああんっ」
善い所を熱いモノが擦り、半田が歓喜の声を上げる。
「もう平気なのか…」
鬼道が最奥を突きながら、呆れたように呟く。
「全くお前はっ」
腰をもう一度引く。
「こちらの素質は抜群だなっ」
ぱんっと激しく肌がぶつかる音が響く。
「あっ、ああんっ」
激しい律動にも声を上げた半田を確認してから、鬼道は豪炎寺に視線を投げる。
「豪炎寺」
「ああ」
その言葉を合図に二人は激しい抜き差しを始める。
半田と円堂はお互いがくっつく程、後ろから突き上げられる。
そうすると、円堂の中の最奥まで半田が擦り上げてしまう。
「あっ!あっ!これ、すごぃい」
「ひぃんっ、…あぁっ、いいよぉっ」
半田と円堂はお互いの体にしがみ付くように抱きついている。
円堂の爪が半田の肩に傷を作っていることも、
半田の指が円堂の腕に食い込んでいることにも気付かず、
二人はその激しい突き上げに翻弄されている。
「あっ、やっ、…イクっ、またイっちゃうっ…あっ、あっ、あっ、ああぁぁああっ」
半田が円堂に抱きつきながら、びくんびくんと体を痙攣させる。
「…っ!」
その直後に鬼道も半田に体を密着させて動きを止める。
その様子を豪炎寺はふっと鼻で笑うと、円堂を今まで以上に激しく揺さぶる。
「ふ、っぁん」
力を失った半田が円堂の中から抜けていった瞬間、円堂が一際甘い声を上げる。
それと同時に豪炎寺も中で爆ぜていた。
射精後の気だるさに、半田は円堂と抱き合いながらぼうっとしていた。
肩に頭を乗せて息を整えるだけで何も考えられない。
そうこうする内に、先に復活した円堂がにっこりと半田の顔を覗き込んでくる。
「すっげぇ気持ち良かった!
またヤろうな、半田!!」
にぱっと笑うその顔は見慣れたもので、半田を一気に現実に引き戻すには十分だった。
「お、俺…っ!」
「おっと」
自分の状況に気付いた半田は、狭いタイヤの上に居ることを忘れて円堂から体を慌てて離す。
そのせいで体勢の崩れた半田を後ろから支えたのは鬼道だった。
「大丈夫か?」
真っ青な半田は鬼道に支えられたままタイヤから降りた。
降りた時に、その衝撃で半田の下肢をぬめりとした液体が伝う。
「あっ、半田も中で出して貰ったのか。
俺、中で出して貰うの気持ちいいから好きなんだ!」
「え…っ?」
呆然としていた半田はその言葉で、自分の足を伝うぬめりに目をやる。
それは白く濁っていて・・・。
…自慰をする時に自分の性器から出るものに似ている。
「…ッ!!」
半田の口から悲鳴を飲み込んだような息が漏れる。
がたがたと震えだした半田を鬼道が後ろから抱かかえるように支える。
「綺麗にしてやるから、シャワー室へ行こう」
鬼道がどれだけ優しく言っても、半田はもう歩けそうもない。
初めての激しい行為、自分を失う程の強いショック、
そのどちらともが半田から歩行する力を奪う。
がくがくと床に座り込んで、立てそうも無い半田を、
鬼道は横抱きに抱き上げる。
「俺もシャワー浴びたい!」
「お前は後で洗ってやる。
まだ豪炎寺はシ足りないみたいだぞ」
一緒にシャワー室に行こうとする円堂をやんわりと押し止めて、鬼道が微笑む。
そして部室の一角にあるシャワー室へ、
目を見開いてがたがたと震えたままの半田を抱かかえたまま入っていった。
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