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「半田、気持ちいいか?」
「うんっ、…いいっ!いいっ!気持ちいぃよぉっ」
鬼道の問いかけに、半田が夢中で円堂を貪りながら叫ぶ。
もう、罪悪感はどこかへ消えてしまっている。
「そうか、ならもっと良くはなりたくはないか?」
「へ?・・・もっとぉ?」
「そう、もっと、だ」
頭の中まで白濁した半田にも分かるようにゆっくりと鬼道が話す。
「また前立腺を擦ってやる。
さっきの良かっただろう?」
体を密着させて後ろから耳元で鬼道が囁く。
その鬼道の指は、ローションを塗し既に半田の中に入っている。
前立腺の周りを焦らすように微かな動きで掠めていく。
「んっ、シてぇ…さっきの、いーっぱい、シてぇ」
悩ましく腰を揺すって、鬼道の指を自分のいいところへ導こうとする。
でも、鬼道の指はすっと自分の中から出ていってしまう。
「っああん」
半田が喪失感に不満の声を上げる。
「焦るな。
これから指よりももっと善いモノをやる。
指より太くて固くて、ゴツゴツしてて熱いモノだ」
「ふぁっ」
指よりも善いモノでさっきビリビリするぐらい良かった場所を擦って貰える。
半田はソレを想像しただけでぶるりと体を震わせた。
「ただ、最初は少し痛い」
「いたい?」
「大丈夫、円堂もすぐ良くなった。
ほら円堂を見てみろ。
凄く善さそうだろう?」
目の前の円堂はさっきから引っ切り無しに甲高い声を上げている。
口の端から涎が垂れているのを拭う余裕さえない。
「お前は前立腺があるから円堂より善いかもしれん」
「えんどぉ…よりぃ?」
また半田の体がふるりと震える。
今経験している行為より、更に気持ちいぃ事があるなんて、想像も出来ない。
こんなに、こんなに気持ちいぃのに、
もっと気持ちいぃ事があるだなんて…。
「…シてぇ。それシてぇ。
固くて、熱いので、俺の中ごりごりって擦ってぇ」
行為の意味も分からないまま半田が焦れたように強請る。
その言葉は図らずも、少し前に円堂が半田に強請ったものに似ていた。
半田が怒って円堂を諌めた行為に。
半田はそれをすっかり忘れて、その行為を鬼道に強請った。
そう勿論、鬼道と豪炎寺が前立腺は男同士の行為で使うと言っていたことさえも…。
「そうか。
お前がそう言うならシてやろう。
半田が俺にシて欲しいって頼むからな」
半田の背後で鬼道がにやりと笑う。
――随分と簡単に堕ちたな。
鬼道は自分の手の中のケータイの録音機能を止めながら、胸の中で思う。
本当は円堂を他の男とさせるなんて、それが例え本人の希望といえど嫌で堪らない。
でも、それ以上に円堂が本当の事を知って離れていくのは耐えられない。
一度手中に収めた分だけに、もう二度と円堂を離したくない。
だからこそ有無を言わさず半田を同罪にしたてあげ、
尚且つ半田に強姦まがいの事をして、バラしたら後ろの貞操を貰うと脅迫するつもりだった。
それが今、強姦未遂などしなくとも、半田の方から淫らに強請っている。
先程の半田の言葉は後々、保険として役に立ってくれるだろう。
あれだけでも、十分脅迫のネタになる。
「…半田は平均的だと思っていたが、感度だけはずば抜けているようだな」
薄く笑って半田の処女地に自分の欲望を宛がう。
それがいいことなのかどうか。
確実に言えることは、感度も平均値であったならば、
こんな風に男に散らさせることは無かっただろう。
「せめて楽しんでくれ、半田」
「あああっんん」
鬼道によって後ろの処女を自ら望んで散らされた半田は、
その瞬間何も知らないまま白い首を仰け反らせて大きく喘いだ。
童貞と処女を僅かな時間差で喪失したことを半田が気付くのにはまだ少し時間が掛かる。
この狂乱が終わるまで、半田の思考力は奪われたままだから。
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