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「…二人だけで楽しむな。
そろそろ俺も入れて貰う」
ちゅくちゅくと半田と円堂の唾液が二人の間を行き来する音が響く中、
それまで様子を見ているだけだった豪炎寺が言葉を発す。
「鬼道」
半田の背中に舌を這わせ、緩い快感を送り続けていた鬼道に目配せをする。
「分かった」
短い返事と共に、鬼道は淫らな宴が繰り広げられているテーブルから降りる。
そして未だ深いキスを交わしたままの二人を背後から、鬼道と豪炎寺の二人掛りで持ち上げる。
「ひゃっ、…な、何!?」
キスに夢中になっていた半田は、円堂と交わったまま急に体を持ち上げられて目を白黒させる。
「大丈夫だ、半田。危ないから暴れるな」
ぎゅっと円堂にしがみ付いた半田を、後ろから抱かかえた鬼道が優しく宥める。
ゆっくりと豪炎寺がセッティングしていた、タオルが敷かれたタイヤの上に降ろさせる。
「豪炎寺がお前達の痴態に盛っただけだ。
ほら、もう我慢できないみたいだな」
不安げに鬼道を見上げる半田に、鬼道が苦笑まじりに顎を軽く持ち上げ半田を促す。
半田が前に向き直ると、そこでは円堂と豪炎寺が激しくキスをしていた。
「んっ、…ごぉえんじぃ、するぅ?」
「ああ」
半田を中に入れたまま、体を捩って豪炎寺の口付けを受け入れている円堂。
その腰は一瞬たりとも待てないといった感じに揺れていて、
頭の靄が取れ、大分素に戻っていた半田をまた底なしの快感へと押し戻していく。
目の前の二人の慣れた口付けに半田は目が離せない。
未だ入ったままの欲望に、また熱が篭っていく。
「興奮するか?」
目を奪われたままの半田に、鬼道がまた胸に軽い愛撫を加えながら訊ねる。
「え?」
いきなり声を掛けられて半田ははっと鬼道に振り向く。
「豪炎寺が円堂に挿入れるぞ」
その声と共に、ぐっと円堂の中にある半田の欲望をより強い圧迫感が襲う。
慌てて前を向くと、強すぎる快感に円堂が口をぱくぱくさせているのが目に入る。
「動くぞ」
「っああん」
その豪炎寺の声に応えるように声を上げたのは、
未だただ酸素を求めて言葉も無く喘いでいる円堂では無かった。
円堂の温かい膜越しに律動を感じた半田だった。
「あっ、ひゃあっ、…う、動かないでぇっ」
声もなくただ、はっはっと短い呼吸を繰り返す円堂と、その後ろでハシタナイ声を上げる半田。
「二人纏めて犯してる気分だ」
豪炎寺が激しく動きながら不敵に笑う。
「ひゃあっ、背中舐めんなって…あっ、ああんっ」
手持ち無沙汰の鬼道が半田の背中を舐めながら、胸に手を這わす。
「あっ、あっ、…やっ、やだっ、…もうっもうっ!!」
半田の背中がどんどん弓なりになっていく。
「ふああっ!!」
鬼道がきゅっと胸の蕾を捻った瞬間、どくんと半田が円堂にしがみ付き欲望を爆ぜる。
「はふぅんっ」
円堂がその衝撃で甘い吐息を洩らす。
「一旦抜くぞ」
はあはあと荒い息の半田の体を、鬼道が自分の方へと寄りかからせる。
「んあっ」
ずるりと抜ける感覚に、もう一度円堂が甘い声を上げる。
鬼道はぼうっとしたままの半田からゴムを取り、其処をウェットティッシュで清めてやる。
「きどぉ」
ぼうっとしたままの半田が鬼道を見上げる。
「ん」
ゆっくりと鬼道の顔が半田に下りてくる。
弛緩した半田はそれを拒むことなく、受け入れる。
迎え入れるように口を少し広げながら。
くちゅくちゅと口を犯されながら、半田はぼんやりと緩い快感に流されていた。
――気持ちいぃ。なんで、俺、こんな気持ちいぃの嫌だったんだろ…?
「はんだぁ」
その声に半田が前を向けば、円堂が足を広げて自分を待っている。
「なあ、もっとぉ」
とろとろと攪拌されて白く泡立つ蜜を溢しながら、円堂が甘く誘う。
――アソコに突き入れたら、もっと気持ちいぃ。
もう半田は知ってしまった。
堕落の果実の味を。
気がつけば、自分の屹立には鬼道の手で新しいコンドームが着けられている。
「えんどぉ…」
二度目は半田の方から円堂の中へと挿入していた。
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