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「ふえっ?…あっ、うん分かった!」

鬼道と豪炎寺によって半田が玩ばれていた間、何も発しなかった円堂は、
部室に重ねられて置かれたタイヤに寄りかかり自分の後穴を解すのに夢中になっていた。
先程豪炎寺によって指示されていたからだ。

豪炎寺がその姿に、愛おしそうにキスを落とす。


「ほら円堂」
くったりと無抵抗の半田に鬼道がコンドームを着け、マントを敷いたテーブルの上で後ろから抱かかえる。

「おう!」
元気に答えた円堂は、踝の所で止まっていた自分の下着を脱ぎ捨てながら駆け寄る。
そしてテーブルの上に飛び乗ると、俯いたままの半田の顔にそっと手を添える。

「入れちゃうな」

半田が虚ろな表情で顔を上げると、そこには全裸の円堂が自分の屹立に片手を添えて腰を下ろそうとしていた。

くちゅりと濁った音がする。

「あっ、…あっ、…やっ、…駄目、駄目だ円堂っ」

少しずつ呑み込まれていく自分の屹立。
それと同時に温かくぬめったものが自分を包み込んでいく。

「あっ、…あっ、…ああっ」

ゆっくりと自分の屹立が姿を消していく。

「…入ったぁ」

完全に見えなくなった時、円堂の嬉しそうな声が響く。
視線を上げると、上気した顔でほうっと息を洩らす円堂の姿。
その姿に半田は改めて息をのむ。


この温かく自分を締め付けているのは円堂。
一年の時からずっと一緒の部活の仲間。

――自分は円堂の中に挿入れている。

その事実に気付いた瞬間、背後から耳元で囁かれる。

「半田、これでお前も同罪だ」

「童貞卒業おめでとう」

「ま、誰にも言えないだろうがな」


鬼道の冷静で、少し皮肉気な声と、


「あっ、いいよぉ…半田のごりごりしてるぅ」

「あっ、ああん。いいっ…いいよぉっ」

「半田ぁ、気持ちっ、いっ?俺っ、…たまんないよぉっ」


周囲の様子なんてもう目に入っていないだろう円堂の淫らな声が、
半田の頭の中をぐちゃぐちゃにさせる。

頭の中はぐちゃぐちゃでも、初めて感じる自分の性器をぬるぬると包む感触は無くならないどころかどんどん強くなっていく。


「やっ、えっ、えんどぉ、う、動かないでっ」

罪悪感でいっぱいなのに、体だけは初めての感覚に溺れてしまう。

「あっ、やぁっ、…だ、駄目なのにぃっ」

どう動くか全く予想できない円堂の腰の動き、
手とは違いぬるぬるとして吸い付いてくる膣の蠢き、
そして快感に染まった円堂の顔。
どれもが初めてで、
そのどれもが脳を蕩けさせるには十分だった。


「まるで女の子が二人いるみたいだな」
鬼道の笑いを含んだ声が喘ぎ声を上げて善がる半田の耳元でまた響く。

「お前も思ったより可愛いよ、半田」
急に耳の裏側を舐められ、半田の体がびくりと前に跳ねる。

「俺も興奮してきた」

円堂に抱きつくように体を離した半田の胸のシコリをきゅっと摘んでやる。
・・・もう束縛を解いても半田は逃げなかった。
いや、束縛が解かれたことにも気付かない。

「やああっ」
円堂とお互いが凭れるようにして抱き合う。

「はんだっ、はんだぁ」
快感から逃げるように自分に抱きついてきた半田に円堂が顔を寄せる。

「んっ、んちゅっ、…んっ、はあっ」
半田は自分の中の未知の快感と押し寄せる罪悪感から逃げるように、その差し出された舌に自分のものを絡めた。
口から出た二本の舌が、絡まる二匹の生き物のように、
夕日に照らされてぬめぬめと光を反射させながら蠢く。


「んっ、はぅんっ…おっぱい、気持ちいぃよぉ」

円堂が腰を揺する度、半田の平らな胸と円堂のたわわな胸の先が擦れ合う。
鬼道に弄られ、敏感になっている胸同士を懸命に擦り合わせて喘ぐ半田と円堂は、
それこそ男同士だというのに女の子同士の交歓を連想させる。

「はんだぁ…」

「えんどぉ…」
胸の先を合わせたまま、二人がゆっくりと顔を近づけていく。

「んんっ」
どちらのものか既に分からなくなった声とくちゅくちゅという音が部室に響く。


その淫らな姿に、半田の背に舌を這わせながら鬼道が薄く微笑んだ。


 

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