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「豪炎寺」
落ち着いた声で鬼道が豪炎寺を呼ぶ。

豪炎寺は小さく溜息を吐くと、円堂に何か耳打ちをしてから半田の前に回る。

「…円堂が望むなら仕方ない」
嫌そうに呟くと、半田のジャージの下を摺り下ろす。
そして恐怖で縮こまった半田の性器へと手を伸ばす。

豪炎寺がふんわりとした手つきで、力ない半田のソコを撫で上げる。
でも、いつまで経っても半田のソコが芯を持つことは無い。

「やっ…やめっ、止めてっ」

真っ青な顔で涙を浮かべている半田が興奮する訳がない。
後ろから逃げないように抱き締めている鬼道にも、半田が恐怖で震えているのが分かる。

「ふぅーっ、素直に勃たせていればいいものを」
円堂に聞こえないように小さく溜息を吐く。


「なあ、半田。
勃たない客に対して娼婦がどうするか知っているか?」

「うっ…やぁっ…な、何…?」
半田の耳の淵をれろーっと鬼道が舐める。
そしてその後、鬼道は自分の指をれろりと舐める。

「中から直接刺激するんだ」


「んあああっ!」
いきなり自分の中に減り込む様に入ってきた指に半田は体を撓らせる。

「はっ、…やっ、嫌だっ!
な、何するんだよぉ!?」
体験したことの無い感覚に、半田は思いっきり身を揺する。
自分の排泄器官に外部から何かが入ってきている。
其処は出すべき所で、今だって拒むように力を込めているのに、
どうやっても自分の中から出て行かない。
異物感が無くならない。

「ほらここだ」
中のものがぐるりと向きを変える。
自分の腹の内側をこりこりと擦るように刺激してくる。

「ひゃあっ!?」
その瞬間半田の体が跳ねる。

「あっ!やっ、やっ、止めっ、…止めてぇっ!あっ、あっ、やぁっ!」

鬼道の指がこりこりと其処を刺激する度に、びくりびくりと半田の体が揺れる。

「ここは前立腺と言うんだ。
あまり効果が無い奴もいるんだが、半田には良いみたいだな」
半田の中を弄る手を止めることなく、鬼道が薄っすらと笑みを浮かべる。

「そうみたいだな」
豪炎寺が勃ち上がり始めた半田の欲望に手を添えながら答える。


「でも、娼婦も其処を使うとは知らなかったな。
男同士だけだと思っていた」

豪炎寺が半田の欲望を擦り上げながら、鬼道に普段と変わらない様子で話し掛ける。
まるで二人の間に半田など存在しないような口調で。

「おっ、おとこ、どーしぃ…?」

半田が膝をがくがくさせながら、聞き流せない単語を鸚鵡返しで口にする。
足に力が入らないのに、前後の二人が体を支えているから倒れることも出来ない。

半田の喘ぎに鬼道が可笑しそうに眉を上げる。

「何を今更。
ここには男しかいないじゃないか」

その言葉に豪炎寺がくっと笑みを溢す。


そして半田を間に挟んだまま、二人は唇を交わした。

半田の目の前で、見せ付けるように交わされる口付け。
口の端を上げ、くっくと笑いながら舌を絡ませる二人。
ちゅぷっというくぐもった水音が、半田の耳元で響く。
目を瞑っても、自分に密着した体温とその水音が、
半田に逃げられない運命を教える。

未だ恐怖に支配されているにも拘らず、半田の欲望は行為が可能なぐらいの固さになっていた。
半田の体に密着しながらキスをしていた二人には見なくてもすぐそれが伝わる。


「待たせたな、円堂。
すっかり半田も準備が出来たみたいだ」

二人が体を離した瞬間、半田は床に崩れ落ちる。
もう体を押さえつけなくても、半田には逃げる気力も残っていなかった。


 

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