#2半田



#2半田


「いいか、俺達以外にはお前が女になったことは内緒にするんだぞ」

「んっ、…ふはっ、わかって、るってば」

「秘密を知る人間は少ない方がいいからな」

「んっ、んっ、…はっ、や、そこやぁ」

「特に風丸には気をつけろ。
それこそ接触を避けるぐらいには警戒した方がいいかもしれん。
…って、おい、ちゃんと聞いてるのか!?」

「…この状態でちゃんと聞いている方が自信失くす」

怒鳴りだした鬼道に、騎上位で下から円堂を揺すりながら豪炎寺が苦笑ぎみに呟く。



昨日、女になった円堂が二人に助けを求めてやってきた後、
ついに想いを遂げた二人は結局円堂を離すことはなかった。
親にバレるからと言って鬼道邸に泊まらせ、体力の続く限り、円堂を陵辱し尽した。
二人掛かりの行為も平気で受け止める円堂は、それこそ絶倫と呼ぶに相応しいのかもしれない。

今も朝、円堂のメロンちゃんに二人掛りで晒しを巻いている時に、
つい円堂のぽっちんぷりんに盛った豪炎寺と一戦交えている。


「あっ、あっ、…おれ、ないしょっ、すりゅぅ。
さっかあ、あっ、あっ、…すき、だからぁ!
おれっ、すきっ…すきっ、さっかあ、すきぃ!」
一心不乱に腰を振りながらも、サッカーが好きだと叫ぶ円堂に、
怒っていた鬼道の眼光も弱まる。

「そうだな、お前はずっと俺達とサッカーしよう。
お前の事は俺達が守る。
絶対秘密がバレて大会に出られなくなるような事態は起こさない」
鬼道はそう囁くと、あんあん可愛く喘ぐ円堂の口を、自分の口で塞いだ。



三人は珍しく遅刻ギリギリの時間に朝練に到着した。
むしろよく時間に間に合ったと言ってもいいかもしれない。
輪になってストレッチしている処へ、三人で急いで加わる。

円堂は皆を欺く為の慣れない擬態に明らかに緊張している。
普段どおりの行動をしろと、あれほど言われたのに、どう贔屓目に見ても動作がぎこちない。

鬼道はその様子に、内心溜息を吐いてから、最要注意人物の姿を探して辺りを見渡す。
だが、その姿はどこにも見当たらない。

「おい、風丸はどうした?」
隣の染岡に訊ねると、ぶっきら棒な返事が返ってくる。

「ああ、アイツ、風邪で熱らしく当分来られないってさ。
たぶん三、四日は休むんじゃねぇか」

ったく、風丸もお前らも来ないから俺がまとめなきゃなんなかったんだぞ
などとぶつくさ文句を言う染岡を余所に、鬼道は不謹慎ながら安堵の溜息を吐いていた。

――三、四日後なら円堂のぎこちなさも取れて、案外風丸にもバレないかもしれない。

そう思ってしまった鬼道は、この時点で柄にもなく油断してしまったのかもしれない。


いざサッカーの練習が始まると、円堂の所作は完璧にいつもどおりになった。
そして朝練が終わる頃にはすっかり自分の状況は頭の中から消えていて、むしろ固さが抜け、これなら円堂の態度からバレることは無さそうだ。

学校では豪炎寺が同じクラスの為、四六時中傍に寄り添った。
いつでもフォロー出来るように気を張っていた豪炎寺は、学校が無事終わって実は少し気が抜けたのかもしれない。



放課後の練習も無事終わって、
三人は話し合う振りで、部室に人が居なくなるのを待ってから着替え始めた。

「ふぅーっ、熱かった」

締め付けられていた胸元を緩めながら、蒸れた胸の谷間を扇ぐ円堂に、二人は待ちきれないといった様子でかじり付く。
もう家までご褒美を我慢するつもりも無かった。



無事一日を終えた安堵感、
自分達しか知らない円堂をまた早く満喫したいという焦燥感、
そしてお互いを出し抜こうとする牽制の心が、
この時の二人から警戒心を奪った。


注意深い二人が、部室の鍵を閉めないまま行為に及ぶなんて普段だったら有り得ないミスだった。



晒しを外し、二人で片方ずつの胸を思い思いに弄っている時、急に部室のドアが開いた。

「あー良かった!まだ部室に居て。
俺、忘れ物……えっ!?」

部室の入り口で、忘れ物を取りに走って戻って来たのであろう半田が、
三人の痴態に自分の荷物をどさりと落とした。


 

prev next

 

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -