6



「んんっ、ちょっ…きどぉっ、やっ」
円堂は自分の返事と同時にいきなり激しく動きだした二人の行動についていけない。

鬼道は自分の頬を両手で挟んで、口の中に舌を入れてくるし、
豪炎寺は自分の肩の後ろの辺りに顔を埋めて胸を揉んでくる。
その手は下から上へと胸の重みを確かめるように動き、まるで触れたら割れてしまう水風船を扱うみたいに優しい。

「はっ、…やっ、息っ、くるしっ、はぁっはぁっ」
それなのに、鬼道に口の中を勝手に動き回られていると、
胸が少しずつじんじんとしてきてなんだか落ち着かない。
さっきは長い間結構平気だったのにすぐ息が出来なくなってしまう。
苦しくて口を離して欲しいのに、鬼道が頭を抑えているからそれも出来ない。
苦しくって目に涙が勝手に浮かんでくる。


「はっ、はっ、はっ、んあっ」
やっと鬼道が口を離してくれるて、足りない酸素を思いっきり吸う。

「熱いだろ?」
その鬼道の質問に答えようにも円堂は息が弾んで声が出ない。
はあはあと荒い息のまま潤んだ瞳で鬼道を見上げ何回も言葉もなく頷く。

「じゃあ服は脱ごうな」
首のところにたくし上げていたTシャツを万歳のようにして脱がせ、
足首のところに纏まっていたジャージを丁寧に抜いていく。

「はぁっ、はぁっ、んん、はっ」
その間も豪炎寺の手は止まらなくて息を整えたいのに、中々上手くいかない。
服を脱いだというのに体は熱くて堪らない。

「ふぁっ…なんでぇ?まだ…あちぃよぉ」

「じゃあ、これからお前の体の熱を冷ましてやるからな」
鬼道が自分もシャツを脱ぎながら、
円堂と豪炎寺の足を跨ぐようにして円堂と向かい合って座る。

「…円堂」
肩を叩かれ振り向くと、今度は豪炎寺が身構える隙も無く、口を重ねてくる。

「んっ」
豪炎寺が円堂の頭を支えて口の中に舌を入れてくる。
その体勢は苦しくて、ちゃんと口が閉じられない上に、
豪炎寺はお構い無しに舌を思いっきり入れてくるから涎が口の端から滴り落ちてしまう。

「ひゃあっ」
雫は首を伝い、胸の辺りで鬼道にぺろりと舐められた。
そしてそのまま鬼道は円堂の胸の先を舐め始める。

「ちょっ、きどぉ、なんでそんなとこっ…ふぅんっ」
鬼道の行動に疑問の声を上げようとしたのに、それを遮るように豪炎寺がまた口を重ねてくる。
そして豪炎寺のやけに熱い手が太腿の内側をなぞるように上下する。

ぺちゃぺちゃと音がする。
音の出所は口だったろうか、胸だったろうか。
それとも両方かもしれない。
そんなことはもう円堂には分からない。
口からはどんどん涎が溢れていく。
なんだか足の付け根がじんじんして足の間にある豪炎寺の手を足で挟んでしまう。
頭の中は白い靄に覆われていて、なんだか分からないけど体が勝手に動いてしまう。


「はぁっ、…なに、これぇ?かってにびくんって、ふぁんっ、…なっちゃうぅ」

「…可愛いな、円堂は」
唇を離した豪炎寺がまた耳元で囁く。

「ああ、可愛くて淫らで最高だ」
ちゅぽんとすっかり上を向いた胸の先を口から離し、鬼道も同意する。

「…好きだ」
耳の端を甘噛みしながら豪炎寺が囁く。

   ぴくん

「俺も円堂が好きだ」
ちゅっと唇を啄ばんで鬼道が囁く。

   ぴくん


「やあぁっ、おれの体、どうしちゃったんだ?
お前達に『好き』って言われるとまた体が勝手にぴくんってなっちゃうんだ」
円堂の言葉に二人は動きを止めて顔を見合わせる。

――嬉しい。
円堂が体に与える刺激だけじゃなく、自分達が与える愛情にも感応してくれている。


「なあ、やっぱり俺の体、びょーきなのか?
どうなっちゃうんだ、俺」
急に動きを止めた二人に円堂が恐怖を煽られたようで、泣きそうな顔をして目の前の鬼道を見つめる。
円堂の悩みや問題はいつだってこの二人が一緒に考えて解決してくれた。
今回だって同じはず。
濡れた瞳を向けると、二人は期待通り自分を安心させるように頷いてくれる。


「大丈夫だ、円堂。
お前が俺達を受け止めてくれたら全てが治まる」

「…ああ、だから俺達の全てを受け止めてくれ

・・・その体で」


 

prev next

 

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -