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研崎がその別名洗脳ルームと呼ばれる部屋のドアを開けると、むっとするような濃い空気が中から溢れ出る。
紫色に微かな光が降り注ぐその部屋で、まだ大人になりきれていない未熟な体の少年達が、尽きることのない自分の欲望をお互いにぶつけあっている様子は、自分が仕向けたとは言え圧巻だった。
満足そうに笑みを浮かべ、その部屋に一歩足を踏み入れると、少年達の中心にいた、一際淫靡な少年が嬉しそうに自分の方へとやってくる。


「研崎さん」

幾人もの情事の痕を隠そうともせず少年は嬉しそうに自分を見上げている。


「約束、守ってくださいよ?」

少年は艶美な笑みを浮かべ、研崎の指に自分の指を絡めてくる。
その指は淫蕩に濡れたまま。
汚れてしまった指を少年の指ごと舐めれば、甘く若々しい体液の匂いがした。
くすぐったそうに笑う少年の声が耳に心地よい。


「では、向こうで」

何人もの少年が絡み合っているベッドを一瞥すると少年の肩を抱く。
あの場に自分も混じりたいと思うほど、自分は無節操にはできていないらしい。


「これでメンバーが揃ったんですよね?
ああ、早く円堂とやりたい。
アイツはどんな可愛い声で啼くんだろう」

少年は研崎の胸に甘えたように顔を寄せ、夢心地で呟く。
少年の目には何が映っているのだろう。
きっと研崎の胸など眼中にはないはず。
それでも研崎はその細い肩をきゅっと抱き寄せる。
どうせ現状よりも未来に気を取られがちなのは自分も同じだ。


「もう少しです」


研崎はこの自分の意のままに動く少年が可愛くて仕方ない。
一番最初にこの少年が手に入って良かった。
丁度同行していた福岡で彼は狙われ、研崎の目前で怪我を負った。
あとは手の者を差し向ければ、簡単にこの少年は自らその身体を差し出した。
それがどれだけ貴重なものかも知らないまま。
自分の計画が随分スムーズに運んだのはこの少年の担う役割が大きかった。


研崎は自分に甘えてくる少年の肩を優しく撫でる。
こんな事でこの少年を繋ぎ止めておけるのなら安いものだ。
この少年はこれから更に役立ってもらわねばならない。

剣崎は少年の肩を優しく撫でる。
笑みを浮かべながら、自分の一番のお気に入りの道具に…。


 END

 

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