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な、な、な…。
なんですとぉぉおお!?
俺は思わず目の前の半田に目を見張る。
潤んだ瞳。
上気した頬。
そして半田の頬に添えた俺の手に、更に重ねられた半田の手。
半田はその手の方へ顔を微かに傾げて、俺の反応を窺うように少し不安そうに見つめてくる。
こっ、これは・・・っ!
ゴクリと喉が鳴る。
童貞丸出しで恥ずかしいけど、まさかの反応にスマートな対応が咄嗟に出てこない。
帰り道もずっと変な事すんなって怒ってたし、
部屋に入るのも躊躇してたぐらいだから、てっきり半田は嫌がってるものだとばかり思ってた。
それなのにまさか…。
あの半田がこんな…。
こんなOKサインを出すなんてっ!!←
半田は嫌がってるんじゃなく、ただ照れてただけだったのか。
そうか初めてだから緊張してたのかも。
そう言えば泊まるって言い出したのは半田だし、
俺の事身体を使ってでも繋ぎ止めておきたいみたいな事も言ってた。
うわ〜、俺はなんて野暮な男なんだ!
そこまで言わせておいて、本当に何もしないつもりだったなんて!!
半田は雷門を代表する名高いツンデレなんだから、素直に誘うわけないのに!
こんなチャンスをスルーするなんて、GKの居ないゴールにシュートを撃たないようなものじゃないか!!
目の前の据え膳に気付かないでラーメン食いにいくようなものじゃないか!!
そんなの男じゃない!!
男、一之瀬一哉!
据え膳有難く頂戴致します!!
俺がOKサインに気付いた事を察知したのか、半田はすぐさまあんなに嫌がっていたシャワールームに逃げ込む。
何ソレ、自分からOKしたのが恥ずかしくなっちゃうとか可愛い過ぎる!!
しかも真っ赤な顔で「覗くのも、一緒に入るってのも無しだからな!!」だって。
そうだよね初めてエッチするんだから色々準備したいよね!!
はっ!そうだ、こんな風に余韻に浸ってる場合じゃない!
俺も準備しなきゃ。色々と!
俺は財布とケータイを持って慌てて外へと飛び出す。
こんな急展開、予想もしてなかったから取り敢えずアイツに相談だ!!
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