7*



そのまま四つんばいの格好の影野の後ろへ廻る。
普段はしないこの体勢が新鮮で、あまり見たことの無い影野の裸体の背中の感触を確かめる。

「はぁっ、ん」
それだけで、背中を震わせ吐息を漏らす影野が可愛くて、
そして少しだけ苛めたくなる。

「いくよ」
細い腰を掴み、自分の腰を押し付けると、まるで逃げる様に影野のそこがきゅっと縮こまる。
潤滑剤をたっぷりと塗しているのに、徐々にしか入っていかない。
慣らしが不十分のソコは、これ以上の進入を拒むように入り口を締め付けてくる。
自分でさえ、狭さに眉が寄る。
受け入れている影野はもっと、もっと辛いはず。

「一回抜く?」

シーツを皺が寄るほどぎゅっと掴み、腕を震わせている影野を労わる様に背中を撫でる。
でも、そう訊ねても返ってきたのは否定の言葉。

「ぬ、か、ない…でっ」
そう言ってふるふると首を振る。

自分の為に痛みに耐える様子はいじらしく、少しでも負担が短いように一気に腰を奥まで推し進める。

「はあっ!」

一気に奥を突くと影野の体がびくっと反り返る。
暫くそのままの状態で動きを止め、背中とお腹がくっつくぐらい体を密着させる。
勿論、痛みに耐えてる影野に体重が掛からないように気をつけながら。
影野の荒く短い息に呼吸を合わせて、痛みで力を無くした影野のソコを優しく撫でる。
快楽が痛みを凌駕すればいいと思いながら、ゆっくりと。

撫でていると少しずつ体の強張りが解けていく。
そして少しずつ血の気を失っていた肌の色がほんのりと桜色に染まっていく。
そして顔を擡げたソコがそろそろ平気だって告げていた。

「大丈夫?」
耳元で確認すると、こっくりと少しこちらを向いて頷く。
最奥を突いたままぐりぎりと腰を押し付け、少しでも解れる様に動かす。

「ふぁっ…ふっ、ん」
鼻に掛かった声は痛みよりも喜びに染まっている。

「ごめん、我慢の限界。
…優しくできない」

その声は、初めて隔てる物無く感じる影野の内側の蠢きに、
自分の中の理性を総動員させて動かないようにしていたマックスを決壊させるには十分だった。
微かに残った理性で先に謝罪の言葉を口にすると、
影野のソコから手を離し、再度腰を掴むと一気に後ろから突き上げる。

「んあぁっ」

自分が激しく叩きつける度に、今だ痛いはずの影野は堪えきれないように嬌声を洩らす。
さっきまで痛みで打ち震えていたのに、激しい律動に今は、違った理由で背筋を震わせている。
先程感じた加虐心がまた湧きあがる。

「あれ、もしかして痛いのに感じてる?」

その言葉で影野はまたふるりと背を震わす。
それと同時にきゅっと締め付けてきたソコ。
無言のまま首を横に振っていても、それらが雄弁に答えを物語っている。

「そう?あんなに欲しがってたボクのちんぽ気持ちよくないんだ」

素直じゃない影野の本当の答えが分かっているマックスは楽しそうに口を歪める。
激しい律動を急に止め、浅い所、辛うじて繋がっている状態で腰を止める。

「じゃあ、もう止めちゃおっか」

そんな気はさらさら無いのに、そう言うとさらに腰を後ろに引く。
その途端、影野が半狂乱で首を振る。

「やぁっ!やっ、やめちゃ、やだぁ」
腰を振り、自ら細いその腰を押し付けてくる様子は健気で、そして淫靡だ。
もう一度奥まで一気につくと、影野が一際大きく喘ぐ。
自分の動きに合わせて影野の口から悦びの声が上がる。

「ほらっ、痛いのに気持ちいいんでしょ?」
大きく突いて、そう訊けば、弾かれたように答えが返ってくる。

「んあぁっ、…そおっ、痛い、のに…さっきから、…きもちっ、よく、って。
…俺、…へんっ、だよおぉ」

突く度に前から先走りをぴゅっぴゅっとシーツに飛ばして喘ぐ。

これはもしかして・・・。

いつもだったら触れる影野の前にも今日は触れず、わざと斜め上から一番良い所ばかり擦りつけるように腰を叩きつける。

「はあ、…やっ、…もっ、ああん」

首を振って、たぶん自分でもなんて言ってるか分からない言葉を羅列している。
その瞬間、…自分自身が与える刺激だけでイク瞬間が見たくて、
マックスは自分の腰が引き攣れるぐらい突き上げる。

「ふあぁぁっ…んんっ」

背を反らせ、ひくひくと全身を戦慄かせて本当に後ろだけで精を吐き出す姿は、
今まで見た中で一番イヤラシイ瞬間だった。
同時に襲う激しい締め付けに、マックスも影野の奥に欲望を弾けさせる。
堪えることも、抜くことさえできないぐらい影野の姿と体は艶かしかった。



 

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