4*



「仁はそんなにボクとエッチしたいんだ」

泣きながら必死にマックスの上半身を手で触れ、舌で触れていると、
影野の頭上からマックスの醒めた声が響く。
少しも弾んだところの無い息と、普段と変わらない調子に、
影野の目にはマックスが欲に染まった様子は伺えない。
実際にはマックスの心の中では、この押さえられた状態から、いかに自分主導でするかでいっぱいだというのに。
嫌われる恐怖でいっぱいの影野は、普段否定するような言葉、言わない言葉を平気で口にする。

「うん、したい。
マックスとできるんだったら、俺なんでもする」

「…へえ」
マックスは口の端が上がるのを手で隠して、平穏を装う。

「じゃあさ、ボクのちんぽ、しゃぶってよ」

「え?」

「何でもするんでしょ?
だったらこれぐらい平気だよね?」

やっぱり無理?男のちんぽ咥えるなんて無理だよね。
仁だってそこまでボクのこと好きじゃないよね。

そう仁の心を煽るように言うと、案の定顔を赤くしながらも影野が頷いて、マックスのソコを寛げさせる。
ぼろんと出てきたマックスのそれ。
明らかにやる気まんまんのソコを見ても、初めての経験に気負っている影野はマックスの偽装に気付かない。


「ど、どうすればいいの?」
影野が戸惑ったように訊ねてくる。
マックスが無言で体を起こすと、影野は慌てて飛び退く。
さっきみたいにベッドに腰掛けると影野を呼んだ。

「前に来て」

寝転んでいるより、この方が影野の姿がよく見える。
初めて自分のモノを咥え込む影野の様子を一瞬たりとも見逃したくなかった。

恥ずかしそうに顔を染めて、自分の前に這い蹲る影野。
改めて見るソコに一度息を飲む姿が、気分良い。
恐る恐る手を添えて顔を近づける影野に声を掛ける。

「髪の毛くすぐったい」

「ご、ごめん」

マックスがそう言うと影野は普段顔を覆っている前髪を素直にかき上げる。
皆の前では決して見せないのに、自分と二人きりの時だけは、恥ずかしそうに見せてくれる顔。
自分だけに見せてくれる顔。
それがこれから自分のモノを咥えて歪む。
そう考えただけで爆ぜそうな程の興奮を感じる。

影野がもう一度ゆっくりと顔を寄せる。
一瞬躊躇してから目を瞑って、チュっと先に口付けをする。
それから舌を出して、ソコにちょんと触れると、それからどうしていいか分からないって顔で自分を見上げてくる。

「自分が気持ち良い所、舐めてみてよ」
マックスがそう言うと、真っ赤な顔で裏筋に舌を這わす。

「へえ〜、仁はそこが好きなんだ」
からかうようにそう言うと、途端に顔を離して俯いてしまう。

「もうお終い?」
そう言えば、慌ててもう一度顔を寄せて、今度は普段顔を見せないえらの部分を舐めあげる。

はらはらと落ちてくる前髪を押さえるように髪を撫でてやると、
一心不乱で舐め始める。

その少し上気した顔。
影野自身でさえ知らない、自分だけが知っている顔。
皆が見たことない顔が、
影野自身でさえ知らない表情を浮かべて、
初めて男のモノを舐めている。
しかもその初めてが自分なのだ。
ぞくぞくする程の支配欲が背筋を走る。


「これがいつも仁の中に入ってるんだよ?
いっつも仁はこれに気持ち良くしてもらってるんだもん。
ちゃぁーんと舐めてあげないとね」
そう言って髪を撫でると、影野がふぅんと息を漏らす。

「ほら今度は咥えてごらん」
そう囁いてやれば、今度は躊躇することなく口に入れる。
舌を這わすことも、吸いながらでも無い、ただゆるく咥えて上下するだけの拙いフェラ。
それでも自分のモノを咥えながら、足を摺り合わせてモジモジしている様子は堪らなくそそられる。

「何、男なのにちんぽ咥えて感じてんの?」

「ちがっ」

口では否定する癖に、自分のモノは決して離そうとはしない。
その様子がいじらしくって愛おしい。
影野の口腔を自分の欲で汚したくて、思わず影野の頭を掴む。
頭を上下させると影野の口から苦しそうに息が漏れる。

「んぷっ、んあっ、…あふっ、んっ、んっ」

苦しそうに自分を見上げてくる顔は、眉が寄っていて目尻に涙さえ浮かんでいる。
でも、確かに声には喘ぎが混じっている。
その苦しそうな顔と、悦びの声が自分を煽る。
自分を抑えきれない。
無我夢中で影野の咽喉を激しく犯す。

それでも、マックスが影野の咽喉に欲望をぶつけていることを、影野は確かに喜んでいた。
咽喉を好き勝手に犯されて、喜んでいた。

「ふぁっ、ああんっ」
咽喉の奥に欲望を吐き出されて、影野は高い喘ぎ声を上げる。
苦しそうにしていても、影野のソコは最後まで、
萎えることはなく欲望を訴え続けていた



 

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