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こんばんわー、『松風天馬の突撃!隣の晩御飯』もお陰様で今回で3回を数えました。
実況はおなじみ、西園信助と。
影山輝でお送りします!


第三回の今回は雷門が誇る…えーっと、えーっと…。
(ほら!信助君、ちゃんと褒めないと!!)
雷門が誇る…えーっと、もう一人のエースストライカー倉間典人さんです!
そうです!エースですよね、倉間さんは!
尊敬すべき先輩ですよ、倉間さんは!

ゴホン。…という訳で、今回も天馬が倉間さんのお宅を訪問してる模様です。
三回目ともなると慣れたもので最早緊張もしていない様子です。


『よお、来たのか。まあ入れよ』

『はーい、お邪魔しまーす!』

倉間さんの浅黒い肌に深緑のエプロンって似合いますねー。
シンプルな黒Tにも似合ってますね。
なんでしょう、結構料理とか普段からするんですかね?
そういうイメージないですけどねー。


『あー…、そのアレだ。
お前の他にも客いるけど、気にすんなよな』

『はい、俺、そういうの全然気にしませんから!』

?ダイニングのドアの前で倉間さんが言いにくそうに天馬に何か断りましたよ!?
なんでしょう…?客って誰なんでしょうか?気になりますね。


『よう、久しぶりだな』

って!エーッ!?
なんか見た!なんか同じのこの前見たよ、コレええ!?
(ちょっ、信助君、素に戻ってるよ!口調、口調!!)
なんでまた南沢さん居るの!?
なんで半レギュラーみたくなってんのコレええ!?
あの人そもそももう雷門じゃないじゃん!?
それなのになんでこんなに出演しまくってんの!?
おかしいよね?コレおかしいよねええ!?
(ちょっ!だから口調、口調!!)


『アレ?南沢さん、こんばんわー!
今日はどうしたんですか?』

『珍しいもんが見れるって聞いたから。
倉間の手料理とかウケるだろ?』

『なっ!?
南沢さんが知んねーだけで、こう見えて俺結構料理上手いんスよ!?』

『ハッ、冗談だろソレ。
バレンタインの時、お前が作ったっていうクッキー食えたもんじゃなかったぞ』

『あ、あれは菓子だったからっ!』

『へー。じゃあ何、お前。
俺に作る菓子は不味いけど、他のヤツの為に作る手料理は美味いってそう言いたいんだ?』

『そっ、…そんな事言ってないじゃないッスか』

『ふーん。
ま、料理は愛情って言うからな。
俺には無くても倉間は松風には愛情込めて料理するんだろ?どうせ』

『・・・』

『なに?黙っちゃって。
アレもしかして図星だった?』

『…そんな事ある訳ないじゃないかよっ!!
ふざけんなよっ!あん時ゃアンタにどうしても喜んで欲しくて、慣れない菓子なんか作ったんだぞ!?
アンタが甘いの苦手っていうから一生懸命甘さ控えめのレシピなんか探して!!
そんで難易度高くなって失敗したんじゃないか!!
それに俺、食わなくていいってちゃんと言ったのに、それを無視して食ったのアンタじゃんか!?
もう嫌だっ!なんでそんな意地悪言うんだよっ!?馬鹿ぁ!!』

『ちょっ!落ち着けって倉間!
俺が悪かったって!
もう…っ、俺より先に他のヤツに手料理食わすなんてお前が言うから少し意地悪言っただけだろ?』

『南沢さん…』

『まったく…、この俺が不味いもんわざわざ食べたのはお前の手作りだからだろ?
愛が籠もってなきゃ食えないぜ、あんなの』


はいストップストップーっ!!
止めて、止めてー!!
こんな公開二股とか誰も求めてないから!!
なんだよ、これ!?
なんで普通に前回に引き続き「愛の南沢劇場」見なきゃなんないの!?
しかも二股でしょ、これええ!?
ああー、誰かこのタラシに天罰与えてやってええ!?
この調子乗ってるタラシに痛い目見せられる勇者がどっかに落ちてませんかあああ!?
(し、信助君?なんか素どころか人格変わってない?
いつもの爽やかさがどこにもないよ?
いつもの信助君はどこに行ったの?
ねえ、どこに行ってしまったのおお!?)


『えっとー…、ところで本当のところ、倉間先輩って料理上手なんですか?』

『えっ!?あ、ああ。
まあカレーぐらいなら人並みに作れるから安心しろ』

『良かった!じゃあ、早くご飯にしましょうよ。
俺、腹減っちゃって!』

『そうだな』

って、天馬あああ!!
こんな時までスルースキル咬ましてんじゃねえよぉおお!
和やかになっちゃったじゃん、またそのタラシ調子に乗っちゃうじゃん!?
どうせ天馬も可愛い幼馴染(しかも相当仲良し)が居る時点で勝ち組だもんなぁ、同じ勝ち組の味方ってことかよぉおお!
男は顔が全てじゃねえぞコラァアア!!
(し、信助君?なんか本音が漏れてますけど…?)


『今日はカレーだから、水でいいよな?』

『はい!カレーには水ですよね!
それにしても南沢さんって、皆さんのお宅に専用の食器があるんですね』

『ッ!!』

!!
これは…ッ!!
まさかの勇者降臨!?

『倉間さんちには専用の御箸あるし、三国さんちにも南沢さん専用のマグカップあったし!
いいなー、俺も早くそれぐらい皆と仲良くなりたいです!!』

『…へー、南沢さんがそんなに社交的だったなんて知らなかったなぁ。
おい天馬、もっと詳しくその話聞かせてくれよ』

う、うわっ!ヤバいよコレ!!
倉間さんの背後でゴゴゴッて音してるよ!
エッ、エッ!?倉間さんっていつの間に化身使いになったっけ?
なんか背後にタイタニアスみたいなの見えるんですけど!!
南沢さんは自業自得としても一刻も早く天馬君回収してあげないと!
ねえ、信助君!!ちょっと!ねえ!!
ひゃほおおお!リア充は皆死ねばいいんだあああ!!
一人で何人も確保してるヤツはまっさきに死ねえええ!!
ちょっ、ねえ!正気に戻ってー!!
いくら南沢さんに天罰下っても、信助君がモテるようにはならないからあ!


―――プツッ!ザーッ…―――



失礼しました。
『松風天馬の突撃!隣の晩御飯』はまだ番組の途中ではありますが、
緊急番組『雷門の車窓から〜車田覗き紀行〜』をお送り致します。
ご迷惑おかけいたしておりますが、ご了承下さい。

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