ドキッ☆狩屋くんの誘惑大作戦!!



Trrrr……カチャッ

「あ、緑川さん?
うん、そー。俺。今、合宿終わった。
うん。…うん、そう、寮閉鎖になるからそっち帰るから。
うん。うん?あー、いいって迎えなんて。
ちょっ!マジでいいって!!アンタら来ると部の連中が五月蝿いからマジで迎えいらないから!
…うん、うん。ったく、ガキじゃないんだから一人で帰れるって。
うん、じゃああと少ししたらそっち着くんで。
えっ、なんも要らないですよ。…晩飯!?もー、そんなのなんだっていいって!
キリないからもう切りますよ!じゃあ!
あ!そだ、あと一つ……。


……ヒロトさんって今日、居ますよね?」






「おかえり、マサキ」

「ただいまー」

雷門中編入と同時に家を出て寮に入った幼い恋人狩屋マサキが久しぶりに帰ってくるとあって、忙しい社長業の中、細かいスケジュールの合間を縫って吉良ヒロトは狩屋の帰りを待ちわびていた。
そして待ちに待った玄関の呼び鈴の音に、柔らかな笑みを浮かべ大きな玄関のドアを開けたヒロトは、そこに佇んでいた狩屋の姿にその笑みを凍りつかせた。


「…………。
……マサキ?」

貼り付いた笑顔でたっぷりと間をおいたヒロトは、説明を促すようにほんの少しだけ首を傾げた。
珍しいヒロトの動揺を知ってか知らずか、狩屋は表情を固くしたヒロトを確認すると小さく口元をしてやったりという風に歪ませてから、わざとらしく口を開いた。


「あー、あっつぅ〜い。
走ってきたから汗掻いちゃったなぁ」

狩屋は半分くらいボタンを開けてある雷門中の制服である白いカッターシャツに、何故か彩り鮮やかな青色のマイクロミニのホットパンツを穿いていた。
・・・しかもびしょぬれで。
唖然とするヒロトの前でそう言うと、水に濡れて胸ポチョまで丸分かりな透け透けシャツの襟を服の中に風を送るようにピラ〜ンとはためかせた。
細い首にくっきりとした鎖骨と、可愛らしいピンクの突起がチラチラと見え隠れするのがセクシーな雰囲気を醸し出している(?)


「ねー、ヒロトさーん。
俺と一緒にシャワー浴びましょーよぉ」

ウフ☆とばかりに甘えた雰囲気で狩屋は固い表情のままのヒロトを見上げた。



バタン!!

思いっきりシナを作った狩屋の目前で、玄関のドアは無情にも閉められた。
玄関先で一人でびしょ濡れになって変なポーズを取っている狩屋は、どこからどう見てもただのおバカな中学生だった。


頑張れ、狩屋!!負けるな、狩屋!!
誘惑大作戦はまだまだ始まったばかりだぞ!!


 続く!!

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