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「なんで俺、裸なんですかッ!?
オジサン一体、俺に何するつもりなんですかッ!!」

天馬は一生懸命身体を縮込ませて、露出した下半身を庇った。

なんで?なんで?なんで?なんで!?

天馬の頭の中は混乱の真っ最中だ。
ただこの目の前にいる得体の知れない男が、気持ち悪くて仕方ない。
言ってる事は意味不明だし、やってる事も理解不能だ。
出会っていきなり病気になって。
心配して家まで送り届けた自分と仲良くサッカーの話で盛り上がったのに。
気付いたら寝てしまっていた自分を縛りつけて、
殺すつもりは無いらしいけど、何故か下半身だけ服を脱がしていた。
何がしたいのかさっぱり分からない。

何より親が死んだ事を喜んでいる倫理観の欠落が、天馬には何よりも理解出来ない。


「ムフフフフッ。天馬君てばまだ自分が何されるか分かんないんだ。
天馬君って本とぉーにウブなんだね。
お兄たん、嬉ちいよぉ」

グフグフ笑いながら上から被さるように近づいてくる男が気持ち悪くてしょうがない。
男の目的が分からないながらも、天馬は男のあのじっとりとした指に触れられたくなくて、懸命に脚を蹴り上げる。

「来んなッ!来んなってば!!」

サッカーで毎日鍛えている自慢の脚なのに、両手を縛られて寝転んだ状態では上手く力が入らない。
まだ子供の域を超えていない天馬の脚は、大人の力に簡単に封じ込められてしまう。


「これからお兄たんが天馬きゅんにいーっぱい気持ちイイ事教えてあげるからねぇー」

そして男は押さえつけた脚を抱えたまま、太腿に舌を這わした。

ピクンッ。

天馬は未知の感覚に背を震わせた。
どうしてだろう太腿をぬるっとした舌が触れると身体が勝手にピクンッと反応してしまう。


「な、何…?」

隠しようが無い程、天馬の声には怯えの色が濃く出ている。
未知なる感覚に、知らない反応を勝手に示す自分の身体を自分でもどうしていいか分からない。
どうしたら反応を抑えられるのか見当もつかない。
男は怯えた表情の天馬にムフフッと小さく笑った。
その鼻息が太腿に掛かるのさえ天馬の身体は敏感に感じ取ってしまう。


「さっきねぇ、天馬きゅんが寝てる間にお兄たんずーっとペロペロしてあげてたんだお。
ムフフッ、太腿の内側の柔らかいところ気持ちイイでしょお?
ここ以外も気持ちイイところ、お兄たんが天馬きゅんの身体に教えておいてあげたからねぇ。
これも一種の睡眠学習?」

男が話しながらも時折ペロペロと天馬の太腿を舐めていく。
不規則なその舌に、天馬は身構える事さえ出来ない。


「……ッ、…ふッ、……ハァッ」

男に舐められる度に、なんだか腰の辺りにじんじんともどかしさが広がっていく。
お腹の下の方が熱くて、その熱をどうにかしたくて我慢出来ない。
でもこの熱を冷ます方法が分からない。
どうしてだか熱くなった部分に刺激が欲しくてしょうがない。
もし両手が使えるなら、自分で掻き毟ってしまっただろう。
天馬はじんじんと自分を苛む熱を持て余して、自分でも気付かないうちに微かに腰を浮かして揺すっていた。

「ハアッ…ハアッ…ハアッ」

「ムフフッ、真っ赤な顔で腰振っちゃって、かんわゆ〜い!!」

男が自分の反応を喜んでいる事は勿論、天馬も気付いた。
こんな気味の悪い男を喜ばせたくなんかない。
でも自分でも初めて感じるこの衝動をどうやって抑えていいか天馬には分からなかった。


「天馬きゅん、ちゃんと覚えてるかなぁ?
さっきここもいっぱいペロペロしてあげたよねぇ〜。
天馬きゅん、はちみちゅトロトロ零して悦んでたんだよぉ。
今度はぱっくんもしてあげるから、おちんぽミルク出しちゃっていいからねぇ〜」

男が折り曲げた天馬の膝の間に四つん這いで蹲る。

な、何……?

急に無くなった舌の感触に天馬も少しだけ顔を起こした。
自分の股の間にある男の顔と目が合う。
男はムフッと気持ち悪い笑みを浮かべると、おもむろにその分厚い唇を丸く開けた。

あ…、あ…、あ……!

そしてゆっくりと、何故か誰も支えていないのに起き上がっている自分の性器へと近づいていく。
粘ついた唾液が開いた男の口の中で口蓋と舌を白い糸で繋いでいる。
それだけじゃなく大きく開いた唇の両端には唾液が白く泡立って溜まっている。

――どうしよう!?オジサンに俺のちんぽ食べられちゃう!!

あんぐりと開いた黒々とした口も、粘ついた唾液も何もかもが気色悪い。
なんで持ってもいないのに自分のちんちんが独りでに起き上がっているのかも分からない。

――なんでいつもはへんにゃりとぶら下がってるのに、こんな時だけどうして上向いてるんだよッ!?

自分の性器が男の口を待ち構えているかのように立って待ってるみたいで天馬は堪らなく嫌だった。
一生懸命身を揺すっても、手首のビニール紐はカサカサと音を立てるだけで切れる気配なんて無い。
がっちりと抱え込まれた腰は動く事も出来ない。


「やだ……、やだ……、やだああああ!」

どんどんと近づく男の顔に、天馬はぎゅっと目を瞑る。
その瞬間、じんじんと熱を持った部分が生暖かいぬるっとしたものに包まれた。

ゾクゾクッと、また天馬の身体が勝手に反応を示す。
もどかしい程待ち侘びた刺激を、天馬の心とは逆に身体が勝手に歓んでいた。


 

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