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装着された時には余裕のあったそのリングは、俺が勃起したせいで狭く窮屈なものに変わっていた。
俺が気持ちよくなる度に、ぎゅうっと痛いくらいに締め付けてくる。
思わぬ痛みに少し萎えたのか、今は確かにきつさを感じるものの激しい痛みとまではいかない程度に落ち着いた。
だが、常時感じる装着感にソコから意識を完全に逸らす事が出来ない。
というより痛みが和らぐと、さっきまでのじんじんとしたお腹の疼きの方をどうしても思い出してしまう。


「…ンッ、…ハァッ、…ハァッ」

「どうしたんですか?太腿擦り合わせて。
ハシタナイから止めた方がいいですよ」

ク…ッ!
全部自分が仕組んだくせに!
誰のせいだと思ってるんだ、剣城のばかっ!

そう頭では思っているのに、まだ動いているローターを持ったまま太腿を押さえ込んできた剣城の手に身体はひくりと反応してしまう。
太腿にローターの振動を感じた瞬間、背筋がゾクゾクッとしてお腹がキュンッて一際疼く。

「ンンーーーーッ!」

そしてまた激しい痛み。
なんなんだ…これ…頭がおかしくなる…!
少しの刺激でも簡単に今の俺の性器は大きく滾る。
でもそこに待っているのは激しい痛み。
ああ、どうしたら…!
痛みでまた少し縮こまったせいでリングに余裕が出来たのか性器がずくんずくんって目視できるぐらい脈打っている。
もう痛くないはずなのに神経が剥き出しになってるみたいにピリピリッてしてる。
本当は痛いのか気持ちイイのか、もう判断できない。
苦しくって堪らない……ッ!


「これ…、外したいですか?」

剣城が俺の顔を片手で掴んでくる。
屈辱的な格好だけど、そんなの構ってられない。
一刻も早く、この苦しみから解放されたい。


「はず……せ…っ」

言葉を話すのさえ、苦しく感じる。
剣城が今、どんな表情してるかも実はよく見えない。
相当目に涙が溜まってるみたいだ。
睨んでも涙が零れないといいんだけど。


「その気の強いところが好きだったんですけどね…」

剣城が小さく呟いて俺の目の端に溜まった涙を舐めとる。
たったそれだけなのに俺の身体はまた浅ましく快感を拾ってしまう。
快感を欲深く求める自分と快感を怖がる自分とで頭はもうおかしくなりそうだった。
今、確かに剣城は大切な事を言ったはずなのに、快感に対する欲望と恐怖に飲まれてしまってよく分からない。


「はず……せぇ…っ!」

「…俺の事、好きって言ったら外してあげます」

…好き?
剣城を好きって言ったらコレを外してくれるのか?
そんな簡単な事で?

苦しい、外したい。
痛いの嫌だ。気持ちイイ方がいい。
でも、今、このリングを外して貰いたいが為に俺は剣城に好きって言っていいんだろうか?
こんなに大切な気持ちで、今まで剣城にだってちゃんと伝えた事無かったのに?


「ん…っ!」

俺は気力を振り絞って首を横に振った。

嫌だ…!そんなの絶対嫌だ…ッ!
だって今言ったら、本当か嘘か分からない…!
初めて口にする言葉なのに、そんな何かと引き換えに言葉にしてしまうなんて絶対嫌だ…ッ!!


「…これでも?」

「ン、あぁぁーー…ッ」

剣城がローターをリングの隙間からカリの部分に押し当てる。
それでなくても敏感になってるペニスに感じた強い刺激に、強い射精感と痛みが一気に襲ってくる。
出口を求めて白い体液がお腹の中でぐるぐるしてる。
マグマみたいな欲望がお腹の中を溶かしてるみたい。
苦しくって、痛くて、出したいよぉ…!
あ…、あ…、身体がガクガクする…。
息…でき、な……。


「…ぁ……ハァッ、…ぁ、…ッ!…ッ、ぁ」

俺はもう恥も外聞もなく泣いていた。
声も途切れ途切れで、身体が反射的にビクンビクッて勝手に動く。
頭の中はイく事ばかり。
身を焦がす欲望を外に吐き出す事ばかりが頭の中を占めていた。

それでも俺は首を振り続けた。
本能よりもそれは譲れない大切な気持ちだった。


「ハッ!そんなに俺が嫌ならなんで俺と付き合ったりするんだ!?
嘘でもいいから俺が好きって言えばいいだろ!?」

遠くで剣城の苛立った声が聞こえる。
なに…?わかんないよ…、つるぎ…。
俺が白く濁った頭で剣城が何を言ったか考えている間に、快感を与えてくる場所がいつの間にか二箇所に増えてキュウッと身体が甘く戦慄く。

「…ッ!」

う、あ…、ちんちん、も、カリカリってしてるの、に、なんで…っ、お尻も、ぶるぶるってしてる、の…?
俺は驚いて縋るように剣城を見つめた。
つる、ぎぃ…?


「…ああ、先輩の一番好きな所、まだ可愛がってなかったですね。
今から前立腺を中からローターでゴリゴリってしてあげますから、気が狂う前に俺の事好きってちゃんと言って下さいよ?」


 

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