幕間*



「……気に入ったよ」

男は、自分を追って廊下に出てきたベータに低く呟く。
口の端は不敵に上がっている。
たったそれだけで、男の印象を全く別のものに変えてしまった。
もう、男が優しそうだとは誰も思わないだろう。


「うふ、だと思いました。
途中から演技に熱が篭ってましたよね。笑いを堪えるのが大変でしたぁ」

「フ…ッ、お前はいつもと変わらなかったな。
いつもどおり性悪だ」

「ひっどーい!
二人であの子を堕とそうっておっしゃったから、わざと意地悪してたんですよぉ!
ベータ、本当は優しい子なんですからぁ」

ぷくっと膨れてみせるベータを男は目の端で一瞥すると、手近な部屋のドアを開けた。
この屋敷にはどれだけのベッドルームがあるのか、中には先程の部屋と遜色ない程大きいベッドが陣取っている。


「随分と白々しい嘘だな」

男はニヤリと笑うと、ベータの腕を引くやにわにベッドへと放った。
短いベビードールの裾が肌蹴て、何も纏っていないベータの素足が露になる。


「彼の泣き顔に興奮しただろう。
お前の身体はそう言ってるようだが?」

男の指が暴くように太腿を割っていく。
そこは時間が経っても潤ったまま。
寧ろ先程よりも蜜を滴らせて、ベータの興奮を伝えていた。


「くすくす。
……それはご主人様だって」

ベータは秘部を暴く男の手に逆らう事無く、脚を広げた。
挑発的に笑って男を見上げれば、男は前戯など必要ないとばかりに固く滾った剛直を蜜壷に添えた。
ベータの脚の間から見える剛直は、ベータの肌の白さからすると信じられないくらい赤黒く脈打っている。
これならば確かに前戯は時間の無駄であろう。
男は遠慮の欠片もない動きで、そのまま一気にベータを突き上げた。


「ん、はあぁぁ……ンッ」

じゅっぷりとベータの中で蜜が波打ち、男とベータを官能の渦へと巻き込んでいく。
ぶつけるように肌を合わせてくる男の動きも、ベータの蜜が包み込んで快楽へと変えていく。
神童の涙が、セックス馴れした二人を興奮させていた。


「さっきの泣き顔、あはッ、最高でしたわぁ…ッ。
ね、そう思いません?」

「……フッ」

息を弾ませながらベータは笑った。
男もベータの言葉に、同意するように声も無く息だけで笑った。

二人はお互いを貪りながら、脳裏に神童の姿を思い浮かべていた。
無垢で、穢れていなくて、高潔で……。
泣き顔が最高に似合う、純粋な男の子。
今は嫌悪で泣いているその顔が、いつか淫蕩に染まって啼く日を思うとゾクゾクする程の興奮が背筋を走る。
二人の行為も自然と激しくなっていく。


「ごしゅじん、さ、まぁ…ッ!
ベータぁ、アッ!アッ!あの子ぉ、ぐちゃぐちゃに…ッ!したい、ん、ですッ。
泣いて、許しを乞わせてぇー…、這い蹲らせたい……ッ!!」

「…同感、だッ」

男は短く呟くと、サッと怒張を引き抜いてベータの顔へと向けた。
ビュクッビュクッとベータの顔に白い雨が降り注ぐ。
男は小さく息を吐き出すと、白く汚れたベータの顔に顔を寄せた。


「あの子を見つけたベータにご褒美をあげよう。
明日から私は3日間、留守という事にしよう。
その間、彼はベータの好きにしていい。
処女を奪うような事さえしなければ、彼を調教するも存分に苛めるもベータの思いのままにすればいい」

「あらぁん、宜しいんですか?」

ベータの顔に不敵な笑みが浮かぶ。
妖しい光を帯びた目は、言外に男の出番はなくなると言わんばかりだ。
3日も時間をくれるのならば、ベータは一人きりで神童を徹底的に苛め抜き、今とは似ても似つかない従順な性奴隷にするつもりだった。
当然、とびっきりに淫らな。

だが、男はそんなベータの思いも承知の上でニヤリと笑った。


「勿論、その様子はモニターで見させて貰うがね。
……ベータのお手並み拝見といこう。
彼がどこまで堕ちるか、楽しみにしているよ」


 





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