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はっきり言ってこれは戦略ミスだったかもしれない。
せめて速水さんを少しでも気持ち良くさせてから射精したいという想いと、
このままでは速水さんの痴態だけで射精してしまうという切羽詰まった事情を鑑みての兜合わせだったのだが。


「ん…ッ、んぅ…ッ、だ、めです…、よぉ…ッ」

ああーーーッ、こんなお色気天使と一緒では俺が圧倒的に不利じゃないかーーーッ!!

俺が二人のペニスを合わせて一緒に扱きだすと、速水さんは自分の服をたくし上げたまま俯きがちに身悶え始めた。
もしかしたら急な刺激に、掴んでいたものにそのまま縋っているような状態だったのかもしれないが、傍目には恥ずかしがってるのにおっぱい丸見えで感じてるというパラダイスにしか見えない。
しかもッ!!
それプラス速水さんが分泌したとろっとろの蜜で自分一人の自慰行為では決して聞いたことのないような淫らな音が俺の手に合わせてくちゅくちゅと音を立てている。
これがもおーーー、絶品と言わずしてなんと言おう。
天然もののローションプレイ(天使由来の媚薬入り)をしているようなものだ。
そんな滾って当然の代物に塗れた速水さんのジューシーバナナと俺のブツが擦れるなんて視覚的にもすぐにでもブッ飛びそうな行為を俺は今まさに射精せんばかりのギリギリな状態で始めてしまった訳だ。
俺のチビ京介くんはすぐさまカウントダウンに移行した。

くおおお、俺のロケットがすぐにでも噴射しそうだあああ!!
のおお!!と内心身悶えてみても、最早離陸体制に移行した俺のロケットは止まりそうにないし、何故か手も止まらない。


「ひぃう〜〜、お、おねが…ッ、て…、もぉ…ッ、離し、てくださ…ッ!
汚しちゃいますよぉ……ッ!!」

加速した俺の手に速水さんも切羽詰った声を上げる。
ああ、速水さんももうすぐなんですね。
でも俺は速水さんの今の声で最早噴射直前です。
どうぞどうぞ、俺の手なんかでよかったら存分に汚して下さい。
汚れてもすぐ舐めて綺麗に致しますよ。
一滴残らず俺が嘗め尽くす所存です!!

って、ヒッヒッフー。ヒッヒッフー。
危うく所信表明で、俺の早漏を表明するところだった。
って、ああー、ヒッヒッフーは産む時の呼吸法じゃないか!
出ちゃ駄目じゃないか!!
ああっ、でも出ないようにする呼吸法なんて俺は知らないぞ!!
遠い目で遥かなる宇宙を思ってみても、速水さんの喘ぎ声一発で煩悩は加速して除夜の鐘ぐらいじゃ吹き飛びそうにない。
ハッ!そうだ、俺が速水さんの声に煽られるならば、俺も速水さんを煽るような台詞を言えばいいんじゃないか?
おおー、速水さんが天使なら俺は天才だったらしい。


「俺、も……、イきそう、です…ッ」

ってええええ!
何を言ってしまったんだ、俺はああああ!!
天才どころか大馬鹿野郎のチャンピオンじゃないか!!
俺はさっき「人間慌ててる時はつい本音が出てしまう」と身をもって学んだばかりじゃないかーーー!!
こんな早漏宣言いらないからあああ!!


「えっ!?ウソ…ッ!え…ッ、あ、あ…ッ!
おねが…ッ!ほんと…、にッ、は、放して…ッ!!」

って、嘘だああああ!
あんな俺の切羽詰った事実申告が、速水さんには効いてる、だと…!?
ビックリした表情で俺を見つめた速水さんは、一瞬だけ俺と目が合うとビクッと身体が揺れるぐらい全身をヒクつかせると、大慌てで性器を擦っている俺の手を押さえようとした。


「や…ッ!や…ッ!ひぃうッ!!
……ふぅ〜〜〜ッ、ごめッ、ごめんなさいぃ〜〜〜ッ!!」

でも間に合わなかったらしい。
俺がぐりっと二つの先端を擦り合わせた瞬間、ドロッとした白いゼリー状の液体が俺の指の間から手を伝い落ちた。
ドロッ、ドロッと何回かに分けて吐き出されるゼリーを速水さんは泣きながら俺の手ごと押さえた。


「すみませ…ッ!俺…ッ、俺ぇ〜〜……ッ!!」

射精してしまった事を必死に隠そうとする速水さんは、そう言って何回も何回も俺に謝ってきた。
羞恥に染まった泣き顔は大変可愛らしい。
この泣き顔だけでもう1ラウンドぐらいフルで戦えそうだ。
あ、俺はどうしたかですか?
勿論もうイってます。
速水さん内蔵のスペシャルゼリーが手に掛かった衝撃でイってしまったのは当然じゃないですか。

ああ兄さん、今日は沢山学ぶ事がありました。
ですが「速水さんはエロ天使」。これ以外の事は全て忘れてしまいそうです。
この事実が燦然と輝きすぎて他の事は些細な事に思えてならないのです。
兄さん。
俺、地球に産まれて良かった……ッ!!
こんな天使が恋人になってくれて本当に最高です……ッ!!!


 


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