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「〜〜〜〜ッ」

俺の言葉に速水さんの顔がくしゅくしゅと一気に崩れていく。
あー……、泣きそうな速水さんは一段と可愛いなーー。
癒されるーーー。

・・・ハッ!
可愛さのあまり、ついつい速水さんが顔を背けても追いかけて顔を見つめ続けてしまった。
う、速水さんが更に泣きそうな顔になってしまっている。
速水さんはその目尻に涙を湛えながら下がり眉で俺をチラリと見てから、俯いて顔を隠した。


「嫌うなんてある訳ないじゃないですかぁ〜!
そうじゃなくてですね……。
そうじゃなくて…、つ、剣城君こそ俺の事嫌いになりませんかぁ?」

そう言うと速水さんはまたチラっと俺の方を伺った。
グッジョブ、一分前の俺!
速水さんの手を握っておいて正解だ。
もし手を握っていなかったら、速水さんはこの可愛らしい顔を手で隠してしまっていただろう。
この顔が拝めなかったら一生の不覚になっていた。
もう既に兄に怪我をさせる(ガチ一生の不覚)と痛い改造制服(中二的センスの暴走)という失敗を二つも抱えているというのに危ないところだった。

・・・ん?
そう言えば速水さんが小さい声で何か言ったような?
上目遣いの破壊力にやられてよく聞いていなかった。


「え?」

俺が聞き返すと、速水さんは真っ赤なままあわあわと堰を切ったように話し出した。


「だって、だってですね…っ、お、俺の方が年上なのに、剣城君みたいに筋肉とかしっかり付いてなくて……。ガ、ガリガリですし……。
その割りになんかぽちゃぽちゃしてる部分も多くて子供体型ですし……。
俺なんて触っても楽しくないっていうか……。
こんなあばら骨の浮いた身体なんて、剣城君に嫌われちゃいますよぉ……ッ」

「・・・」


なんという事だ。
まさかこんな心配をしていたとは。
速水さんは俺の事をガチムチ好きのハードゲイだと思っているのか?
そんな不名誉なイメージは激しく否定したい。
俺は生粋の可愛いもの好きだ。
速水さんは俺が知っている存在の中(当然女子も含む)で一番可愛い存在だと言っても過言ではない。
速水さんの可愛さは赤ちゃんにゃんこに匹敵するというのは世界の常識(?)だ。


「速水さん」

俺の言葉に非難の響きを感じたのか、速水さんは俺が名前を呼んだだけでビクリと身体を強張らせ、掴んでいた手を振りほどいた。


「だって不安なんです……。これでも嫌いになりませんかぁ……?」


そしてなんと御自分でお召し物を捲くりあげ始めたでござる。
内股で上目遣いという反則技に、なんという合わせ技を繰り出すんでございましょうか。
恥ずかしがりやの清純派は最後の砦をご自分であべし。
びっくりしすぎて日本語が不自由になったでヨーソロー。


あ…、あ…、おへそが……。
あ…、うわ…、そ、そんな上まで!?
何!?う、嘘だ……ッ!!


きたあああーーーーー!!乳首チラリズムーーーーーーッ!!
兄さん、今夜は乳首が大漁だ!!
ワッショイ、ワーッショイ!!乳首祭りの始まりだーい!!

 


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