エピローグ



Trrrr、Trrrr…ガチャッ

「あっ、もしもし俺!
あのな、あの後やっぱり俺にもしっぽ生えてきて。
それで今、音無が俺のしっぽの事探ってて大変なんだ」

「良かった!しっぽ無事生えたんだ。
一回しか出来なかったから生えないかもと心配してたんだ。
早く生まれるといいね、俺らのベイビィ」

「おいっ!俺の話聞いてたか!?
…そういう事じゃなくって俺達の事がバレそうで大変だ、どうしようって話だろうが!」

「バレちゃいけないかな?」

「当たり前だろーがっ!!
お前は日本に居ないからいいけどなぁ!
染岡とかすっげー色々言われて、出産とか皆に見られて大変だったんだぞ!?」

「うーん、それは確かに一大事だ」

「やっと事態の大変さに気づいたか」

「うん。半田の出産シーンなんて他の人間に見せられないよ。
俺だって一回しか見てないのに、他の人間が見るなんて」

「???
なんだよお前だって俺の出産なんて見たことないだろ。
初めてのしっぽなんだから」

「いや、出産シーンと言ったら露出するじゃないか。
半田のチン…」

「言わせねーよ!?」

「それにおし…」

「だからー!言わせねーよ!?」

「半田、なんとしても死守して。
半田のおし…」

「おまっ、しつこいな」

「あれ?半田知らなかったの、俺が一途な男だって」

「しつこいと一途は違うだろ…。
でも、お前は確かにしつこくて一途だよ。
じゃなきゃそもそもこんな事になってないもんな」

「そうかな?」

「そうだよ!
お前が入院したって聞いて慌てて電話したら、何回も何回も『会いたい。会いに来て』ってうるさいし。
見舞いに行ったら行ったで、どこから聞いてきたのか『中々会えない代わりに半田のちびキャラを傍に置いておきたい』とか言い出すし」

「ハハッ、あの時の半田可愛かったなぁ。
泣きそうな顔で『死なないよな?お前、死んだりしないよな?』って縋ってきて。
もう手術は終わってるっていうのにね」

「うっ、うるさーい!」

「それで俺がお願いしたら恥ずかしそうに頷いてくれて…。
最高の思い出だよ」

「言うなああ!」

「ね、半田。俺があの時と同じお願いしたら今でも頷いてくれる?」

「……そんなの知らないっ!」

「そんな事言わずに。俺がしつこいの知ってるだろ?
答えるまで許さないよ?」

「…う〜っ、そんなの聞かなくても分かるだろっ!」

「半田の口から聞きたいんだ」

「もうっ!頷く!頷くよ!
俺も一之瀬に会いたいよ!会ってギュッてしてもらいたい!
これでいいかよっ!?」

「…ありがと、半田。俺も愛してるよ」



 END

 

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