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こんにちわ、音無春奈です!

前回は、ナ、ナント有力情報ゲットしちゃいました!

結論から報告しますと、松野さんはお相手では無かったみたいです。
あの後、なんだか影野さんと喧嘩でもしたのか、松野さんは顔に引っ掻き傷を付けて部活に来ました。
何故か全部私が悪いって事になってて松野さんから散々八つ当たりされて大変でした。
私、ただインタビューしただけなのにおかしいです!

でも分かった事が二つあります!
一つ目は半田先輩のお相手はFFI出場選手って事です!!
何度も国際電話をしてたとの目撃情報を松野さんから聞いちゃいましたからねー。確実です!
それともうひとつは…、
影野さんは同性愛者に偏見があるって事です。
染岡さんの時は献身的だったのに松野さんと半田先輩の仲は許せないみたいです。
松野さんや半田先輩と仲が良いから内緒にされてたみたいで許せないんでしょうか?
なんにせよ少しだけ見損なっちゃいました。


という事で、今回の容疑者は豪炎寺さんです!

FFI出場者の中で一番のモテキャラはやはり豪炎寺さんでしょう!
うちの中学にもかなりの規模のファンクラブがありますからね。
なんと言っても豪炎寺さんは日本が誇るエースストライカー。
雷門だけじゃなく日本滅亡の危機さえ救った頼れる10番ですからね。
勝てたら大切なものをあ・げ・るみたいな話は少し軽いスポーツ漫画ではお約束の展開。
ベタに弱い半田先輩は豪炎寺さんみたいなヒーロータイプに絶対弱いと思うし、充分アヤシイです!
(以下会話抜粋)


音「豪炎寺さーん!」

豪「…わざわざ二年のクラスにまで来て何の用だ?」

音(まずは軽く探りを入れてみましょう!)
「えっとですねー、FFIの決勝戦の時に日本で皆が応援してくれてたの嬉しかったですよねー。
アレ、半田先輩が保護者とかにも連絡して集合かけてくれたみたいですよ」

豪「ああ、夕香から聞いてる」

音(あ、なんか心なしか嬉しそう。妹さんの話題だからかな?)
「半田先輩って良い人ですよねー」

豪「…そうだな」

音(アレ?なんか少し不機嫌そう…。
半田先輩を褒めたら急にむっとしちゃいましたよ?
少し話題を変えてみて更に様子を探っちゃいましょう)
「そうそう!半田先輩と言えば、FFI中に国際電話ばっかしてたらしいですよ。
半田先輩の激励って効果ありそうですね!」

豪「・・・」

音(アレレ?黙っちゃいました。
やっぱり半田先輩の話題が嫌なのかな?
でも豪炎寺さんは元々無口だから、イマイチよく分からないです)
「もしかして豪炎寺さんのところにも電話着ました?」

豪「………いや」

円「よー、音無じゃないか!
二年のクラスになんか用か?
おーい秋ー、音無だぞーって今、居ないのか」

音(おーっとぉ、いきなりのキャプテン乱入!
いい機会だからついでに聞いちゃおっと)
「今ですねーFFIの時に半田先輩から電話着たかどうか聞いてたところなんです」

円「なんだー、電話なら俺んとこにも着たぞ」

豪「…何っ」ピクッ

音(おおーっとぉー、まさかのお相手発見!?)
「ええっ、本当ですか?」

円「おう!頑張れよーとか今、サッカー部はこんなだぞーとか色々な」

音(そ、それだけ…?なんか色気の無い会話)

豪「…お前の他にも電話貰ったヤツがいるのか?」

音(おお!豪炎寺さんナイス質問!!
無口な豪炎寺さんが質問してくれるなんて思わぬラッキー!
そんなに半田先輩の電話の相手が気になったのかしら?)

円「んーっとそうだなー、染岡には手紙が着てたし、鬼道んとこにも電話着てたぞ」

豪「本当か!?」ガタッ

円 明らかに動揺している豪炎寺に気づかずいきなり廊下に手を振る
「あっ、風丸ー!
風丸んとこにも電話着てたよな?半田から!」

豪「風丸もかっ!?」ガタガタッ

音「あっ、風丸さん!」

風「なんだいきなり?」

音(いやいや『いきなり』はこっちの台詞ですって。
でもいいところに容疑者が向こうから来てくれました)
「FFI中に半田先輩から風丸さんも電話貰ったんですか?」

風「ああ、何度か貰ったな。
たしか、しっぽの話をしたような…?」

音(な、なんですってー!?そんな核心を突くような話をしてたとは!)
「えー、どんな話ですか?」

風「んんー、しっぽの話は本当かって確認の電話だったと思ったな」

音(ア、アレ?風丸さんの電話も色気のあるものじゃない…。
FFI中の電話って恋人への電話じゃ無かったのかしら?)
「それだけですか?」

風「んんっ?あー、…いや暫く経ってからまた電話あったな。
それもしっぽの話題だったような…?」

音「えっ!?どんなのですか?」

風「しっぽの事はライオコット島では有名なのかって聞かれたな」

音「それだけですか!?」

風「そうだな、他は激励とか世間話とかもしたけど」

音(なんだ風丸さんも色気の無い話ばっか。
松野さんの情報がガセだったのかしら?)
「そうですか、分かりました…。
じゃあ、半田先輩から連絡きてないのって豪炎寺さんだけだったんですね」

豪「…………そうだな」

音「半田先輩って皆さんに激励の電話してたんですね!
半田先輩って本当に皆さんが好きなんですね」

豪「・・・」

円「おう、あんなに応援してくれて嬉しかったよな!」

風「そうだな、あのビデオレターはびっくりしたよ」

円「アレ、ビックリしたよなー!
まさかあんなに部員増えてるとは思わなかったよ!!」

音(んー、雑談を聞いてても半田先輩と何かあるようには思えない。
今回も全員白っぽいなぁ)
「あれ?豪炎寺さん、何かショックな事でもありました?顔色悪いですよ」

豪「……な、なんでも無い」
憔悴して力なく椅子に座り込む豪炎寺。
かなりショックを受けている様子。
音無、容疑者から外れた豪炎寺を完璧スルー。


音(ふぅ、今回もお相手発見には至りませんでした。
そしてまさかのFFI中の国際電話の相手が複数存在!
これはもう一度初心に帰る必要がありそうですね!!)




豪(半田…。なんで俺だけ電話してくれなかったんだ。
もしかして俺は半田に嫌われてるのか?
はぁーっ、ままならないものだな片想いは)

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