※注意事項
・璃乃さん宅の夢主ちゃん、マリアちゃんは名前変換無しになっております。
・もしもマリアちゃんが大統領成り代わり主のメイドさんだったら、というIFネタ。
‐‐‐‐‐
少しだけ、本当に少しだけ。…そう思っていたのにまたやってしまいました。
目の前には呆れた顔で私を見下ろす大統領閣下、もといヴァレンタイン様のお姿が。
ああ、またヴァレンタイン様の寝室のお掃除の途中で睡魔に負けていました。…けれど、ヴァレンタイン様のベッドがふかふかなのがいけないんです。私に宛てられた部屋のベッドはここまでふかふかではないんですから。それもメイドという立場上仕方のない事なのでしょうけれど。
「やっと起きたか」
そう声をかけられた私は、 慌ててベッドから飛び起きました。
ヴァレンタイン様に見付かって尚、眠りに就ける程図太くはありませんし、常識知らずにも出来ていません。
「ご、ごめんなさい!」
「このまま起きなければキスでもしてやろうかと思っていた」
「な…っ」
「はは、冗談だよ。マリア、お前はからかいがあるな」
なんて質の悪い冗談なのでしょう…!
私の顔はきっと林檎のように真っ赤に染まっている筈です。
ヴァレンタイン様はこうやって私をからかうのですから、酷いお方だわ。
「今日も気持ち良さそうに眠っていたな」
「も、申し訳ありません、ヴァレンタイン様…!けれど、お掃除は粗方終わらせました!これは本当です!」
「いや、お前を疑うつもりなどないから安心してくれ。マリアがよくやってくれているのはこの部屋を見れば分かる。いつもご苦労だな」
「い、いえ…」
ヴァレンタイン様に誉められてしまいました!
自分の仕事ぶりを誉められて、嬉しくない訳がありません。
「他のメイドが掃除をした時よりも気持ちよく眠りにつける気がするのだ。君が掃除をした後は」
「…!」
嬉しくなってヴァレンタイン様に「有難う御座います」と素直に頭を下げれば、彼は私の頭をわしゃわしゃと撫でてきました。
「きゃ!」
「マリア、君はなんて可愛いんだ…」
「え、あの…」
「どうもマリアのような年頃の娘を見ると可愛がりたくなってな…。私も存外年を取ったようだ」
わしゃわしゃわしゃ。
ヴァレンタイン様の手は休まる事を知りません。私は何時までじっとしていれば宜しいのでしょうか…?
その内「養子に来ないか」なんてとんでもない事を言い出したヴァレンタイン様に、私は曖昧に笑うことしか出来ず、また撫でられ続けるのでした。
我慢出来ずにマリアちゃんもお借りしました…!
マリアちゃんは大統領の所のメイドさんということで、うちの大統領成り代わりのメイドさんでもある訳だな!と思い、書かせていただきました。
うちの夢主はマリアちゃんを可愛がりたくて仕方ないようです。娘くらいの年頃なので、きっと親心でしょう。
緋子ちゃんに続き、マリアちゃんの性格が違ったらすみません…!
どちらの夢も煮るなり焼くなり好きにしたって下さいませ!
(140202)