ミセス・プレジデント | ナノ
※原作のスカーレットの台詞から彼女の年齢を考えておりますが、ほぼ捏造です。ご注意を。

「なあ、スカーレット…」
「突然改まって…どうしたのです?」
「君は私と結婚しない方が良かったのではないか…?君は私よりも若いし、もっと相応しい相手が居ると思うのだが…」
「何故いきなりそんな事を聞くの?」

「まさか、浮気じゃあるまいな?」スカーレットのナイフのように鋭い視線がそう問い掛けてくる。しかし神に誓って浮気ではない。それに、彼女に嫌気が差したからという訳でもない。
ただ純粋に、年の差が10も離れているから気にかかっただけだ。もし原作をねじ曲げてでも二人で生き延びたとして、先に死ぬのはどちらか。火を見るより明らかだ。彼女を一人残して先に逝くのはどうにも心苦しい。それが愛からくるものなのかは分からないが、15年も共に居るのだ。情の一つや二つは沸く。
私は43になるが、彼女はまだ33。私と違い、未来はまだ明るい。いっそ私と別れて年の近い相手と結婚した方が良いのでは、とそう思うのだ。

「年の差が10もあれば、そういう考えにもなる」
「まだそんな事を言っているの?あなたと結婚して一体何年になると思っているの?良いかしら、フラニー。そんなのは取るに足らない障害だと前に話したはず…。あたしには、あなたしか居ないの」

スカーレットの白い手が伸びてきて、私の頬をスルスルと撫でさすった。まるで慈しむように、優しく。

「全て覚悟の上であなたと結婚することを選んだのよ。あたしはあなたの全てが大好き。それだけじゃあ駄目なのかしら?」
「スカーレット…」

何だかんだで良い嫁さん(ってのは少しおかしいが)だよなあ、スカーレットって…。但し、私が女でなければ…と感動していると。

「…ということで、愛を深める為に私を踏んでくださるかしら!」
「どういうことだよ!?普通その考えに至らないと思うが!」
「あぁんッ!早く!!」
「や、無理…あいたたたた股関節が!!」

折角感動してたのにやっぱりこういうオチか!!
…でも、こうやってスカーレットと過ごすのが一番幸せ、かも…。


・・・

スカーレットの『大統領とは15年前に出会って、その時自分は女学生だった』のくだりから、当時18歳という設定にさせて頂きました。夢主はその頃28歳。なので、15年経った現在の時間軸では、夢主43、スカーレット33の10歳の年齢差となる訳です。

140209
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