ミセス・プレジデント | ナノ
※色々捏造注意

「よく来てくれた。歓迎しよう。ブラックモアから兼ね兼ね話は聞いている。お前たちは11人で1チームなんだそうだな?」
「はい、その通りです。大統領閣下」
「ほう…」

11人キッチリ揃って目の前に並んだ男たち。原作と寸分も違わぬ出で立ちをしている。上から下まで服も帽子も髪型も、背格好も全て同じ。それ故に見分けがつかない。この中に一人リーダーが居るそうだが、それが一体誰なのか。まるで検討もつかなかった。

しかし、リーダーは分からなくとも、ブラックモアから一人一人の名前は聞いている。ええと、確かスミス…と、あとは何だったかな…。あれ?イベリコ豚みたいな名前だった気がするんだけど…。ええっと…鈴木、は日本名だもんなあ。…あっ!ゲルニウム!ゲルニウムだ!…いやいやいや、それは流石に無いな。

…ちょっと待てよ…よく考えたら、名前を思い出せたところで名前と顔が一致しなければ意味はないんじゃあないのか。
不味い、このままでは話が前に進まないではないか!ええいッこうなればままよ!

「ええと…君がスミス君、だったかな?」

一番右端の男に問い掛ける。
どうか合っていますように!

「違います。俺ではなく、コイツがスミスです」

普通に間違ってた。

「す、すまない…だが、わざとではないのだ。それだけは信じてほしい」
「いえ…お気になさらず」

意外と優しい…。そうだ、優しいついでにどうせならリーダーについても聞いてみようか。

「それで、気になっていたのだが…リーダーは誰なんだね?11人も居るのだ。リーダーが居なくては統率も取れないだろう?」
「いくら大統領とはいえ、それだけはお教えできません。どのような形であれ外部に情報を漏らすことは出来ない」
「そこを何とか」
「申し訳ありませんが…」
「そうか…いや、すまない。今の質問は少し意地が悪かったな。無理に聞き出す気はないのだ。私の望み通り働いてくれさえすればそれで良いのだから。他は望まないよ。…だが案外、そこのスミス君がリーダーだったりしてな」

ハハハと笑いながらド真ん中の男に視線を送れば、「大統領、もう一度言いますが、自分がスミスです」と左から三番目の男が答えてくれた。また間違ってた。

「ご、ごめんね…」
「…いえ」

やべえ、ちょっと怒ってるよ…。

「…どうも年を取ると皆同じ顔に見えてな…」
「分かりにくいようであれば、俺たち一人一人をタトゥー1、タトゥー2とお呼びください」

―!
そんなの有りなのか!此方は助かるけども!

「ああ、それなら私にも分かりそうな気がする。お前がタトゥー1だろう?そうだな?」
「違います。タトゥー8です」
「…………」
「大統領…?」
「逆に聞くけど何で全員スミスじゃあないんだよ!!?もうお前らややこしいから全員スミスにしろよ!!!馬鹿!」
「(逆ギレ!)」


・・・

ほぼ喋っていない11人なので、口調も捏造です。実は大統領成り代わりで真っ先に思いついたネタが、これだったりします。

131221
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