※何かっつーか、ちょっとっつーか、相当あれです。あれ。
沖田隊長は副長相手に悪ふざけという名の嫌がらせをしている。それも四六時中。副長大変だなー、程度の第三者目線でそれを傍観していたのだけれども、いつの間にか私もロックオンされてしまった。今では副長と同じ立場に立たされている。被害者的な意味で。何がきっかけなのか、何が引き鉄なのか、さっぱり分からない。私が何をしたんですか!と聞いても沖田隊長は、理由なんかありやせん。の一点張り。ちょ、それ酷くね?理由がないのに嫌がらせされる私って可哀想じゃね?
そして今日も嫌がらせは執行された。見回りを終えて屯所に戻った私。玄関にて目に飛び込んできたのは私のパンティーだった。ちょこんと置かれたそれ。そして、それの前には、一言添えられた紙。どうぞご自由にお使い下さい。…何にだよ。
「沖田コノヤロォォォォォォォオオ!!」
スパン!と勢い良く開いた襖にさして驚かずゆるりと沖田隊長はこちらに顔を向けた。「何でィ、上司に向かってその口の利き方は」涼しい顔でそう言ってのけた隊長にイライラが募る。しょうがないよね?しょうがないでしょ?こんな口の利き方されても。だってそれ相応の事をしてくれちゃってる訳ですから!グッ、と力を入れ「これですよこれ!何ですかこれは!」と握ったパンティーごと拳を突き出せば「汚ねーモン見せんじゃねぇ」と返ってきた。っコノヤロォォォォォオオ!!
「テメェこらふざけんな」
「お前こそふざけんな。口の利き方には気を付けなせェ」
「何で玄関に私のパンティー置いてくれちゃってんですか!」
「さぁ?何の事だかさっぱり分かりやせんねィ。俺がやったって証拠はあるんですかィ」
「こんな事すんの隊長しか居ませんよっ!しかも何ですかこの紙!何に使わすつもりだバカヤロー!」
「お前でも良いって物好きが世の中には居るもんでさァ」
「ちょ、でもって何?失礼だろそれ。つーか墓穴掘ってんぞ」
あ、しまった。てへっ。と抑揚なく言った隊長を殴りたくなった。片手がグシャッと音を立てる。くそぅ。いくら何でもこれはやり過ぎじゃないか。悪ふざけなんて可愛いもんじゃないぞこれ。副長。今なら貴方の気持ちが良く分かります。尊敬します。これに耐えてきた貴方を。
相変わらず涼しい顔の隊長は「あれ、おっかしーな。玄関なら相当の人目に付くはずと踏んだのに誰も持っていかねーたぁ…可哀想に」とぼやいている。って、ちょっとぉぉぉぉぉお!
「隊長、おま、ちょ、沖田ぁぁぁぁぁぁあ!」
「そう吠えんな。しょうがねぇから俺が貰ってやりまさァ。ほら寄こせ。その染み付きパンティー」
「誰がやるかぁぁぁあ!つーか染みなんか付いてないですぅ!洗濯済みですぅ!」
「当たり前だろ。誰がお前の使用済みパンティーなんか触るってんでィ」
「ぎぃぃぃぃぃい!何かムカつく!何かムカつくぅぅぅぅぅう!」
もう何なんだこの人。何がしたいの!理由もなく嫌がらせされてこんなにイライラしなきゃいけないなんて私可哀想じゃないか。泣きたい。泣いたら思う壺のような気がするから泣かないけれども。
「あーぁ。それにしてもやっぱおもしれぇや」
「は?何が?」
「お前の反応。俺が飽きるまで楽しませて下せぇ」
「ちょ…!」
コイツ…!楽しんでやがったのか…!もしかして理由はそれか?それなのか?くそぅ!泣いてやるっ!
戯れ
ごめんなさい。
20091210
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