賑やかな朝食を終えて、自分の家に戻って身支度を整えてミンナと一緒に学校へ向かった。学校が違うから途中で別れた訳だけど短くても楽しい道のりだった。ミンナと一緒なのが久しぶりだったという事もあるけど、今は幸せという気持ちがプラスされてる。いつもと同じ道なのに、ミンナが居るだけで、侑士が居るだけでこんなにも違うなんて。


「何ニヤニヤしてんの」

「え、ニヤニヤしてる?」

「うん。気持ち悪い」


学校に着くなり友達に浴びせられたキツイ一言。私そんなにニヤニヤしてるの?でも幸せなんだからしょうがない。辛い思いをする事だって分かってる。だけど私は自分でそれを選んでしまった。ちゃんと分ってる。それでも幸せなもんは幸せなんだから。この幸せに免じて友達の一言はスルーしてあげる。


「ん?メール」


友達と話をしている途中、ブルブルと震えたポケットの中の携帯はメールを受信していた。
確認すると差出人は侑士。名前を見ただけで嬉しくなって頬が緩む。友達が「またニヤけてる」とボヤいているけど聞こえなかったフリをしてメールを開く。


「うっわ!携帯見てニヤけるとかヤバいから!止めた方が良いって!止めないなら私がアンタの友達辞めるわ!」

「ちょ!それ酷くない!?いくら何でもそれは酷いって!」


だってしょうがないじゃん。“今日部活ないねんて。一緒帰ろか。学校まで行ったるよ”なんてメールだったんだから。これはニヤけるに決まってる。どうしよう!幸せ!でも学校まで来てもらうのは申し訳ないから、駅で待ち合わせしよう。とメールを返信した。まだ学校に来たばっかりだというのに、早く放課後にならないかな。なんて。待ち遠しくて仕方ない。

好きな人が出来た。たったそれだけで同じ毎日のはずなのにこんなにも感じ方が違うなんて思わなかった。もっと早く気付けてたら良かったのにな。それだけじゃないのもちゃんと分ってる。本当に分かってる。だけど今はただ純粋に、この幸せを味わわせて下さい。




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