名前を抱き締めて貪るように唇を奪う。何度も何度も。
「んっ、ハァ」
「ハッ名前…」
ベッドに追いやって組み敷けば俺を見上げる潤んだ瞳が理性を掻き消す。いや、名前に触れられた時点で理性なんて残っちゃいなかった。
耳を甘噛みし舌を這わせれば身を捩る。その仕草が俺をさらに欲情させた。
「やっあ…」
「嫌じゃねぇだろ？」
「い、あっ」
少し強く首元に口付けて赤い印を残す。
「俺様の、モンだ」
「けい、ご…」
名前は俺の頬に両手を伸ばした。まるで縋るように。
「名前っ」
「んんっ！」
そんな初めての仕草にグッと胸が締め付けられた。もっと、もっと俺を求めろ。俺を欲して全て俺のモンになれ。
再び口付けを交わしながら片手でブラウスのボタンを外してブラを上げ胸を露わにする。
「綺麗だぜ。名前」
この言葉にこの行為が初めてかのように顔を背けてまた俺を欲情させる。
「あっ！んっ」
胸の突起を口に含めば名前からは自然と声が零れた。片方を舌で転がし片方を指で弄べば一層甘ったるい声が聞こえる。
「あっ、はぁん…あぁっん」
「気持ち良いのか？アーン？」
「気持ち、いっはぁ」
スカートの中へと手を滑らせ下着を指でなぞると名前の体はビクッと震えた。そこは下着の上からでも分かる程溢れていた。上下に指を動かす度にクチュリクチュリと厭らしい水音が部屋に響いた。
「ひぁっ！あぁん、あぁっ」
「こんなに濡れてるぜ？なぁ名前？」
パチリと絡まった視線にドクンと胸が鳴った。名前が俺を求めているような気がしたから。涙を滲ませた妖艶な視線が俺を捉えて離さない。
そうだ。これなんだ。俺が満たされなかった理由は。俺が名前を求めるように名前に俺を求めて欲しかった。いつでも冷たかった瞳に俺を映して欲しかった。側に居ればそれで良いなんて嘘だ。
今、名前の瞳には俺が映っている。
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