「苗字家の娘として色々教え込まれてきた。遊ぶ事なんて許されず…周りは大人ばかりで…。ずっと、一人、だったし。分からないんだよ。接し方、なんて。それなのに周りから聞こえるのは嫌味ばかりで、お嬢様なんてなりたくてなった訳じゃないのに…嫌で…」
何でこんな事話してるんだろう。きっと仁王の腕のが優しくて温かいからだ。
「それに私の道は決まってるから…他の誰も、必要ない」
仁王って本当、変な奴。自分自身に言い聞かせるだけで、他の人にこんな事を話した事なんてなかったのにするすると言葉が出てくる。
言ったって何も変わらないのに。…温かいよ。
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