「ふぅー…」


今日も屋上で煙草をふかす。もちろん今は授業中。勉強さえ出来れば教師は何も言わない。むしろ私に何かを言ってくる奴なんて居ない…。


「つまんない…」


ただ同じ毎日。流れに任せて時間が過ぎるのを待つ。
でもそれが耐えきれなくて屋上に来ては煙草をふかす。
私の居場所。私だけの時間。


「苗字…?」


しかし、私の領域は簡単に侵された。声のした方へ顔を上げればそこに立っていたのは同じクラスの、確か、仁王雅治。輝く銀髪、透けるような琥珀色の瞳をした男。クラスメイトとは言っても話した事はないのだけど。


「何?」


素っ気なく答えて視線を戻した。だって私には他人なんか関係ない。自分の道なんてない。だから、どう思われようが構わない。




戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -