「えっ?」
聞き取れんかったが、苗字は俯いてポツリと呟いた。その横顔は何か思い詰めたように切なげで、こんな顔もするんじゃな、と思った。ちと虐め過ぎたか、とも。
「今日はお前さんのいろんな表情が見れたぜよ。教室では無表情じゃき。…今度は笑ってもらいたいのぅ」
俺の言葉に苗字は顔を上げた。が、真田並に険しい顔をしちょる。面白い。だがこれは俺の本心ぜよ。笑った顔を見てみたい。
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