23時。今すぐ来て、とだけ書かれたメールを受信した。
訳が分からないのでとりあえず電話をかけてみる。
≪おー≫
「あ、もし、私」
≪ん?誰じゃ?私なんて名前の奴知らんけど≫
「……じゃーね」
≪ちょっ、まっ嘘じゃ嘘≫
「…で、何?」
≪何って電話してきたのお前さんじゃろ≫
「メールだよ、メール」
≪あぁ、メール≫
「今すぐ来てってどこに」
≪家に≫
「何で」
≪用があるからに決まっとるじゃろ≫
「何?」
≪今は言えんけぇ≫
「何それ。つーか今何時だと思ってんの?明日学校だっつーの」
≪まだ寝ないんならええじゃろ≫
「今から寝るところだったんですぅー」
≪ふーん≫
「むしろ自分で来いよ。用事あるなら。いつもみたいにベランダつたって」
≪それはダメじゃろ。こんな時間に健全な男が女の部屋に上がり込むなんて≫
「えーじゃぁ何で来いって言ったんですかー。逆は良いんですかー。ってかいつも来てるくせに」
「うん」
「うん…って」
「寝るならちゃんと窓の鍵閉めんとダメじゃろ。不用心」
「今から閉めるところだったんですぅー。つーか結局来てんじゃん」
「許可もらったからの」
「許可?いつ?」
「用事あるなら自分で来い言ったじゃろ」
「…あーもう、はいはい。で、用って何」
「ん、あー」
「あーって何よ」
「ただ…」
「ただ?」
「ただ、会いたかっただけ」
「……」
「ブッ、変な顔しちょる」
「うるさい!バカ!」
「ダメじゃった?」
「……ダメじゃ、ないよ」
「そんな顔すんな。我慢出来ん」
「帰れ」
深夜、23時の出来事
マンションでお隣さんな二人。幼なじみ設定でした。
20081211
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