彼は周りから不良と恐れられているが、実は母親思いで、とっても優しい人なのだ。


「あ、もしもし?仁?どこに居るの?」

≪あ?お前には関係ねぇだろ≫

「優紀ちゃんが心配してるよ」

≪ババァなんか放っておけ≫

「私も心配だよー。今何時だと思ってんの?」

≪知るか。そんなもん≫

「11時!良い子はもう寝る時間だよ!」

≪だったらお前はさっさと寝な≫

「仁が心配で寝れないんだけどー!私に寝て欲しいならさっさと帰ってきてよね」

≪意味分かんねぇ。勝手にやってろ≫

「えー!ひどーい!人が眠れないくらい心配してるっていうのに」

≪だから勝手にやってろって言ってんだろ≫

「じゃぁさ!今から仁の家に行くから話でもしようよ!」

≪何でそうなんだよ。お前意味分かんねぇんだよ。さっきから≫

「ほら、暇だから夜中に出掛けたくなる訳でしょ?私が暇潰し相手になってあげるからさー、帰ってきてね」

≪ハッ!何言ってやがんだ≫

「ねぇねぇお嬢さん!こんな時間に何やってんの!お兄さんと遊ばない?」

「あ、すみません。今人探してて忙しいんです」

≪…おい≫

「そうなんだ。でもこんな時間に一人じゃ危ないでしょ?手伝ってあげるから一緒においでよ」

「結構です。一人で大丈夫なんで」

≪おいっ!≫

「わぁ!びっくりしたー。大声出さないでよね!何?」

≪誰と話してんだ≫

「えー?何か自分ではお兄さんとか言ってたけど、明らかなおじさんに話しかけられた」

≪お前今どこに居やがる≫

「今?駅前だけど」

≪何でそんなとこに居んだよ!今何時だか分かってんのかテメェ!≫

「あれ?さっきそれ私言わなかったけ?」

≪うるせぇ!夜中に一人でそんなとこうろうろしてんじゃねーよ!危ねぇだろーが!≫

「うろうろなんかしてないです!仁の事探してるんです!」

≪屁理屈言ってんな!いいか。今から行くからそこ動くんじゃねぇぞ≫

「はーい」

≪誰かに話しかけられても無視しろ。絶対付いて行ったりすんなよ≫

「はーい」

≪もし無理矢理連れていかれそうになったら大声出せよ≫

「大丈夫だって」

≪どんな奴居るか分かんねぇだろ。分かったな。今から行くからそこで大人しく待ってろよ≫

「分かった!待ってるから早く来てね!」


しばらくしたら、どこから来たのかは知らないけど息を切らしながら仁は私の前に現れた。
ほらね、優しいでしょ。





SQ4コマのあっくんに感動した。
20090512

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