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「さすが猫。こういうのは好きなんだな? ほら、モカ、見てろ」


カタセくんが毛虫を操る。

ながーい毛虫は、くるくるって回るから。
あたしの狩猟本能はもうビンビン。


「にゃーお、にゃーお」

カタセくん、それちょうだい。
ああもう、早く渡しなさいよう。


ようやく爪に引っかかって。
あたしはそれをグイグイ引っ張ってカタセくんから奪った。

わあい、キラキラの毛虫だ。
つついちゃえ。

あれ、でも全然動かない。
さっきカタセくんのところにあった時は、クルクルいい感じに動いていたのに。


「みゃー」

ねぇ。カタセくん。
この子、死んじゃったよ。


カタセくんに近づいて、膝にじゃれつくと、カタセくんはニヤリと笑った。


「なんだよ。奪っていったくせにやっぱり遊んでほしいんじゃん」

「みゃー」


違う。遊んで欲しいんじゃないもん。
クルクルが動かないから直してって言ってるだけだもん。

カタセくんはまたクルクルを持った。
そうしたらくるんくるんと動き始める。

わあい、生き返った!


途中から、カタセくんが動かしてるんだってことには気づいたけど。
あたしはクルクルがすっかりお気に入りになっちゃったのでまあいいや。

カタセくんは嫌いだけど、クルクルは好きだよ。





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