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カタセくんは一番上にお星様をつけているところで、いきなり後ろから来たあたしに驚いたみたい。
「うわ、ちょ、モカ」
「にゃーおん」
ぴょん、と飛び乗った……つもりだったのに、しがみついたら木はあっさりと倒れてしまう。
ツリーとあたし、仲良く床に転がった。
「みゃー」
いてて。
「きゃー、モカちゃん、大丈夫?」
心配したミネちゃんが慌てて飛んでくる。
大丈夫よ、ミネちゃん。
これでも咄嗟に受け身くらい取れるんだからね。
ミネちゃんはあたしを再び抱きかかえると、カタセくんに向かって唇を尖らせる。
「片瀬くん。せっかくのツリーだけど、うちに置くのは危ないよ。モカちゃんが怪我しちゃう」
「棚の上に置けば大丈夫じゃない?」
「うーん。でもモカちゃんジャンプしちゃうからなぁ」
「そっかぁ、困ったなぁ」
カタセくんは残念そうに背中を丸めちゃった。
あらら、でもあたしのせいじゃないわよう。
それにしても、さっきまでは気づかなかったけど、広がっている小物たちには色んなのがあるのね。
ヒトデみたいな色のお星様とか、まんまるのピカピカとか。
その中に、銀色の毛虫がいた。
うわあ、おっきい。
「にゃ」
右足でつつくとカサカサと小さく鳴る。
なにこれ、おもしろーい。
「にゃーお、にゃーお」
楽しくなって何度も触っていると、カタセくんがそれに気づいて笑った。