3


カタセくんは一番上にお星様をつけているところで、いきなり後ろから来たあたしに驚いたみたい。


「うわ、ちょ、モカ」

「にゃーおん」


ぴょん、と飛び乗った……つもりだったのに、しがみついたら木はあっさりと倒れてしまう。
ツリーとあたし、仲良く床に転がった。


「みゃー」

いてて。


「きゃー、モカちゃん、大丈夫?」


心配したミネちゃんが慌てて飛んでくる。

大丈夫よ、ミネちゃん。
これでも咄嗟に受け身くらい取れるんだからね。

ミネちゃんはあたしを再び抱きかかえると、カタセくんに向かって唇を尖らせる。


「片瀬くん。せっかくのツリーだけど、うちに置くのは危ないよ。モカちゃんが怪我しちゃう」

「棚の上に置けば大丈夫じゃない?」

「うーん。でもモカちゃんジャンプしちゃうからなぁ」

「そっかぁ、困ったなぁ」


カタセくんは残念そうに背中を丸めちゃった。

あらら、でもあたしのせいじゃないわよう。

それにしても、さっきまでは気づかなかったけど、広がっている小物たちには色んなのがあるのね。

ヒトデみたいな色のお星様とか、まんまるのピカピカとか。

その中に、銀色の毛虫がいた。
うわあ、おっきい。


「にゃ」


右足でつつくとカサカサと小さく鳴る。

なにこれ、おもしろーい。


「にゃーお、にゃーお」


楽しくなって何度も触っていると、カタセくんがそれに気づいて笑った。





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