2

とある土曜日。
そんな邪魔者はごきげんな顔でやって来た。


「ほら、プレゼント」


あたしをお膝に抱っこしてくれているミネちゃんの前に、ドサリとおかれるのは大きな紙袋と細長いダンボール。


「なにこれ」

「クリスマスツリーだよ。この部屋に無かったろ」


得意気に笑ったカタセくんは、中からピカピカのクリスマスツリーの書いてある紙をミネちゃんに見せた。


「だって場所とるからおいてないんだよ。えーこんな大きいの買ってきちゃったの?」


不満気な声を上げるミネちゃんに、カタセくんは焦ったらしい。


「いや、でも。これ綺麗なんだぜ」


ってダンボールを開き始めた。
中から出てきたのは、カタセくんの腰ぐらいまである木だ。

うわあ、大きいなぁ。
細長かったはずのそれは、カタセくんが手を加えると、枝が広がっていく。

カタセくんって魔法使いだったのかな。
それとも庭師?

全部の枝が広がった木を、あたしはほえって口を開けて見つめる。

すごい、大きい。
登りたい登りたいって欲求がウズウズしちゃう。


「にゃーおん、にゃーおん」


突然動き出そうとするあたしを、ミネちゃんが抑えた。

ミネちゃん、離して。
あたし、この木に登る!


「ダメよ、モカちゃん。危ないから飾り付け終わるまでじっとしてて」

「にゃーおん!」


ダメ、ムズムズして止められないもん。

抑え上手のミネちゃんの手から何とか抜けだして、ツリーを飾り付けてるカタセくんに向かって突進。





prevTOPnext



×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -