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「にゃーお、にゃ」

モカちゃん、お待たせ!
じゃあこれを、お届けしてください。

キジちゃんが持ってきたのは煮干し。
前に言ってたお気に入りのおやつだ。


「みゃおん」

誰に渡せばいい?


そう聞いたら、キジちゃんたら急にアワアワしはじめた。


「にゃ?」

え? あ、えと。
そうだ……モカちゃんに!


キジちゃんは勢い良くそう言ったけど。
その言葉と同時にお届けは終わっちゃったよ。

ちょっと静かな時間が流れたのは、あたしの気のせいじゃないよね?


「みゃーおん」

あたしにくれるのね?
ありがとう、キジちゃん。


「にゃお、にゃお」

喜んでくれて、嬉しいわ。


キジちゃんがにこにこだから言えなかったけど、これってあたしがしたいのとは違うなぁ。


もらった煮干しを食べてから、キジちゃんと一緒に公園に行った。
キジちゃんは歩いている時もいつもニコニコ。あたしみたいに気分屋じゃないんだよねぇ。

あたしはいつも一人で歩くのが好きだけど。
ニコニコのキジちゃんと一緒も楽しいなぁ。

公園ではいつものように小学生の子供達が遊んでる。
あたしはうるさいのは嫌いだから、そことは離れた草むらの方でバッタと追いかけっこしたりして遊んだの。

楽しいけど、今日はタクハイさんにはなれそうにないなぁ。




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