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ビー、ベリベリ。
ミネちゃんの手元から出てくる音が、あたしの猫心を刺激する。

そうそう、ミネちゃん。それをぐしゃぐしゃっとして。

丸められたテープのボール。
あたし、これ大好き。

爪を伸ばして手を振ると、張り付いちゃったりして。それでもぶんぶん振ってるとポーンって飛んでっちゃう。
ウズウズして、飛びつきたくなっちゃうの。

そんな風に、あたしがテープのボールに夢中になっていたら、ミネちゃんはいつの間にか電話をしていた。


「うん、そう。さっき届いた。最近の宅配って早いよね」

「みゃおん?」


電話の相手は、どうやらお母さんらしい。

あのクロネコの帽子をかぶったお兄さんは、タクハイさんなんだね。
そういえばテレビでも見たことあるかも。荷物を運ぶ人だ。


「うん。ありがとう、嬉しかった」


ミネちゃんが幸せそうに笑う。
ミネちゃんが笑うからタクハイさんはイイ人。

あたしもクロネコだから、
タクハイさんみたいになれるかなぁ。



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