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あたしは、スカイさんににっこり笑いかけた。
あたしのパパかもしれないスカイさん。
だけど、それは確かめない方がいい気がした。

だってあたしの今の家族はミネちゃんで。
それ以上にはいない。

「みゃーおん」

またね、スカイさん。

「にゃーご」

またね。モカさん。

あたしは、振り向いて駈け出した。
スカイさんが、家に戻ってくれたらいいなって思いながら。

そして早くミネちゃんに会いたいって思いながら。



「ただいまぁ」

「みゃーおん」

玄関先でお出迎え。
今日も遅く帰ってきたミネちゃんは、あたしを見つけるとぱっと笑顔になった。

「きゃーん! モカちゃんお出迎えだ。可愛いー!」

「にゃーおん」

あたし、お利口にして待ってたんだから褒めてよう。

「可愛い。大好き、モカちゃん」

「みゃーお」

うんうん。もっと言って。
あたしもミネちゃん大好き。

ぎゅーって抱きしめられるととっても嬉しくて。
あたしは、今どこに帰ったのかとスカイさんを思い返す。

きっと会えるよね。
また、あの駅前で。

あたし、また会いに行くもの。





【fin.】




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