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「……ちゃーん、モカちゃーん」

あれ? この声


「大丈夫だって。勝手に帰ってくるよ」

「知らない! 片瀬くんの馬鹿。よりによってベランダに出しちゃうなんて。モカちゃんが怒って出て行くの当たり前じゃないの」

「だって、あの状況でみゃ―みゃ―鳴かれたら落ち着かないだろ」

「それにしたってベランダは無いでしょ?」

あらら。
ミネちゃんとカタセくんだ。

あたしのこと、迎えに来てくれたのかな。


「みゃーおん」


大きく鳴いてみたら、ミネちゃんの声が近づいてくる。


「こっちよ。絶対こっち」

「みゃーおん!」


それを見ていたおじさんは、にこりと笑った。




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