5

「みゃおん」


そんな気持ちで鳴いてみたら、おじさんはあたしのことをじっと見た。


「黒猫かぁ。よく不吉って言うけど、結構可愛いんだな」

「みゃーお」


そりゃそうよ。黒いだけで不気味がられるんじゃやってられないわ?


「それに声が甘えてるみたいだよな」


そういっておじさんは、高いお空にぽっかりと浮かぶお月様に透かすように写真を持ち上げた。
写真のヒトとお話してるのかな。

なんとなくそう思ったから、静かにじっと見ることにした。


「見た目じゃわかんねぇもんだよな」

「みゃーお?」

何が?


「強気な肉食美人とか見せといて、実は甘えたがりだもんなぁ」


ツヨシなニッショクビジンって何?
おじさん、あたしの知らない言葉一杯話すのね。

あ、じゃあ、あれも知ってるかなぁ。

ねぇねぇ、おじさん。
ウワキってどうすればできるの?


「みゃーみゃー」

「ん? 何だ急に鳴きだして」


おじさんは笑うと、地べたに座り込んだ。
ここ、土だからって子供が座ってもお母さんたちに怒られてるのに。
おじさんは平気なんだ。




prevTOPnext



×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -