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「にゃおん」
あなた誰?
「え? 猫?」
怖いから聞いてみたけど、おじさんの方もびっくりしたみたい。
大きなおじさんだ。カメラっていうやつの大きいのを首から下げてる。
これって、首輪? あたしのリボンと一緒?
「ごめん、これ返してくれよ」
おじさんが手を伸ばしてきたから、あたしはさっと逃げた。
その拍子に、頭に乗っかってた紙が落ちてそれがなんなのか分かった。
これは知ってる。写真ってやつ。
あたしも前にミネちゃんに撮ってもらったよ?
この写真には女の人が写ってた。綺麗なおばさん。
ミネちゃんよりおばさんって思うけど、ミネちゃんよりキレイかも。
そんなこと言ったら怒られちゃうかな。
「驚かせたか? ごめんな。……ああでも良かった」
おじさんは写真を拾い上げるとほっとしたみたいな顔した。
大事なものだったのかな。
あたし、大事なものを失くす辛さは分かるのよ?
見つかったんだったら良かったね、おじさん。